K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Dave Brubeck: Time out (1959) 嶋護本の話の続き(Columbia 30th St. Studio)

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Dave Brubeck: Time out (1959, Columbia)
A1. Blue Rondo A La Turk (Brubeck)
A2. Strange Meadow Lark (Brubeck)
A3. Take Five (Desmond)
B1. Three To Get Ready (Brubeck)
B2. Kathy's Waltz (Brubeck)
B3. Everybody's Jumpin' (Brubeck)
B4. Pick Up Sticks (Brubeck)
Dave Brubeck(p), Paul Desmond (as), Gene Wright(b), Joe Morello(ds)

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昨日のエヴァンスのアルバムがコロンビアのスタジオで録音されたことに気がついた。

Columbia 30th St. Studioだ。先日、購入した嶋護本に掲載されていたことを思い出した。教会をそのまま利用した残響が素晴らしいスタジオ。

改めて読み直すと、ミッチ・ミラーが務めた1949年から1965年が優秀録音を出した時期。特に1960年頃が黄金期だそうだ。1965年にミラーの退職後にスタジオのリフォームによる音質の激変を経て、1982年に閉鎖。だからエヴァンスの録音は終末期のようだ。

黄金期の録音として紹介されたのはTime out。という訳で、当時のステレオ盤(6 eye)とamazon HD(86kHz, 24bit)を比べてみる。

・レコードはピアノの音が透明感がややある。コロンビア的な中庸な音であるがまずまず良い。特にピアニシモでの美しさ、を感じる。反面、フォルテシモではダイナミックレンジを越え、全く駄目。1曲目のトルコ風での終盤のピアノ強打で潰れている。特筆すべきはドラムの良さ。シンバルやブラシの生々しさ、バスドラムの打音の残響が楽しい。

・ストリーム音源では、嶋氏が指摘する「ディジタルコンプレッション」のためか、音に新鮮さはなく、むしろRVGのような中音域に寄せてある感じ。それがピアノやドラムの音の透明感を削いでいる。ピアノのフォルテシモはさすがに何とか聴けるレベル。

録音を愉しむという観点で素晴らしいアルバムだった。

演奏に言及しなかったが、良いアルバム、以上のコメントなし。上品なジャズ・ポップスだよね。

実は、好みのアルバムがこの時期のColumbia 30th St. Studioと分かって、それは次に紹介。

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