富樫雅彦,佐藤允彦,翠川敬基: C.P.Uファースト・アルバム(1975, DENON)
A. 積乱 SEKI-RAN
B. 阿吽 A-UN
富樫雅彦(perc), 佐藤允彦(p), 翠川敬基(b, cello)
Recorded at Nippon Columbia 1st STUDIO, 10 Dec. 1975
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先日、スケッチを取り上げたのでコレも。スケッチといい、C.P.U.といい、素晴らしいアルバムではあるが、CDでは再発されていないようだ。残念だ。
1969年のパラジウムのベースを翠川敬基に代えた、1973年の双晶に翠川敬基を入れた、1976年の完全版・緑色革命のデュオをトリオにした、ような組み合わせなのだけど、その当時はありふれた組み合わせだったのだろうか?アルバムでは最初で最後ではなかろうか。C.P.Uファースト・アルバムとありながら、セカンド・アルバムはないのだ。
稠密な音だ。硬質な富樫・佐藤の音の応酬のなかで、芯のように打ち込まれる柔らかなベース。しなやかな音がいいなあ。反応したり、ドライヴしたり。このアルバムで翠川敬基のベースがとても良かったのだけど、その後は聴く機会はあなりなかったように思える。
このアルバムも1980年前後には、本当に良く聴いた。だけど不思議なことに、1986年ぐらいだったかな、ストンとフリー系の音を聴かなくなった。就職して、忙しくしているうちに、脳内回廊が閉じたようなのだ。だから、その頃は関東に13年も居たのに、富樫雅彦や翠川敬基の演奏を聴かなかったことが、澱のように気持ちの底に沈殿している。
そんなことを想いながら、ぼんやり聴いている。