K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

沖至: Trumpet In Modern Jazz (1970) 「モダン・ジャズ名曲集」だけではない

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最近になって、沖至の記事がwikiにアップされているとのtweetがあって、読んでみたが、奏者へのrespectが熱く伝わる内容。

沖至 - Wikipedia

ボクが最初に聴いたのは1980年頃に来日した折に出演したNHK-FMのライヴ。ミッシェル・ピルツとの共演で、抑制的なホーンが美しかったことが印象的だった。FMPでの同じメンバーのアルバムも入手した。

たまたまなのだけど、沖至の初期のアルバムを入手した。1970年で「殺人教室」(未聴)と同じ時期。タイトルを見て、てっきりモダン・ジャズ名曲集のような「企画盤」だと思っていた。菊地雅章の「マトリクス」と同じような感じで。

この盤については、半分そんな感じで、半分はそうでない。A1, A3, B1については、全開とは云わないにしても、彼らの当時のフリージャズに近い演奏だろう。冒頭、田中保積の打ち込みで、モダン・ジャズ名曲集ではないことを知った。この時期から翠川敬基は翠川敬基。彼の音(昔、富樫雅彦のグループでの演奏が好きだった)。沖至は端正に攻める。同じメンバーの殺人教室が気になってきた。

残り半分はマイルス風だったり(B2)して、まさに「Trumpet In Modern Jazz」。決して、退屈な演奏ではない。完全な「企画盤」のマトリクスよりは、随分と聴かせてくれる。

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沖至: Trumpet In Modern Jazz (1970, Toshiba)
A1. Par Avion(沖至)
A2. Tenderly(Walter Gross)
A3. The Song Remains The Same)
B1. Mood (沖至)
B2. Step One(沖至)
B3 Manha De Carnaval(Luiz Bonfá)
沖至(tp), 翠川敬基(b), 田中保積(ds)
蒲池猛(p on A2,B2,B3)
峰厚介(as on B2,B3)

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