「Ascension...坪口昌恭・北陸トリオ」坪口昌恭(p)、中山トモ(b)、海野俊輔(ds)
盆と正月恒例?で楽しみにしていた坪口昌恭・北陸トリオを聴きにもっきりやへ。
Ascensionとみると、コルトレーンのアレ?って驚いたが、バリー・ハリスの曲とのこと。
今回は電気楽器なしで全てアコースティック。もっきりやのベーゼンドルファーの美音を愉しむ、にはいいのかな、と思いながらスタート。
1stセットはマイルス・デイヴィスのSolarでスタート。スタンダード曲からはじまって、後半がオリジナル曲。ピアノ、ベース、ドラムの順にソロをとるオーソドックスなアプローチ。
2ndセットは坪口昌恭がNYで師事したバリー・ハリスの曲に関する話から。直球のビ・バップでスタート。後半はやはりオリジナル曲。アンコールはBody and soulでしっとりと。
ボクが彼のピアノに大いに魅力を感じるのは、(1)新主流派的なピアノ(60年代のハンコックとか)の匂いを醸しながら進化させた21世紀の音、という感じだよな、と思っている。Solarを聴きながら改めてそう思った。ピアノの美音も含め、そんな彼の音を楽しめるのはオリジナル曲かな、とも思った。あと(2)電化楽器(古い書き方!)を交えてWR的な音の香りを纏って、やはり進化させた21世紀の音、という感じ。夏のライヴでも、WRが出してもいない今日的なWRを聴いているような不思議な感覚があった。
今回はじめて?早いバップ曲を聴いたのだけど、その何れでも勿論なく、第3のカテゴリか、という塩梅だった。今回は、アコースティックなトリオで、見事に(2)的な匂いはなかった、ので少し寂しかったかな。中山トモのよくグルーヴする電気ベースと(2)の曲調がよくフィットするのだ。今回は全てアコースティック・ベース。本当に楽しそうに弾いていて、バンド全体のムードを作っていた。よき哉。
キレのよい海野俊輔のドラムも、現代的な軽く捩れたようなビートから、バップまで变化自在で、これも楽しかった。植松孝夫の音源集めのなかで知った奏者なのだけど、こんなに聴く機会を得るとは思わなかった。
次はお盆。楽しみ。