K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Michael Shrieve:Fascination

Michael Shrieve:Fascination(1993, CMP)
Michael Shrieve(ds) Bill Frisell(g) Wayne Horvitz(org)
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あるときBill Frisellはまったので買ったCD.

1990年代のBill Frisellの音世界は,脳幹の奥底まで侵入してくる少年時代の記憶のような衣を被った曲調のなかで,ディストーションの効いたキツイ感じギターが気持ちヨシで,随分買ったような気がする.これはMichael Shrieve(サンタナのギターだそうで,良く知らなかった)名義なのだけど,Bill FrisellヨシのPOPに捕まって(梅田のタワーレコード偉かった),つい買ってしまった.

期待通り,以上の内容で,直球でBill Frisellのギターがイイ感じのトーンで縦横無尽に暴れるので楽しい曲の連続.これでWayne Horvitzのオルガンも好きになった.まったりと浮遊するビルフリーゼルが攻撃的にガリガリ弾く気持ちの良い一枚.あんまり本人名義のアルバムのように曲に凝っていないから,なおのこと気持ちいい. 

さて昨年2009年1月20日はSan DiegoのLindberg空港からBostonのLogan空港に向かっていた.お仕事で渡米中.この日はそうオバマ大統領の就任式.でもトランジットのFort Worthの大型TVの前には誰もいない,とても冷めた雰囲気(B&Wともに)が印象的だった.Logan空港から目的地のCambridgeへのタクシーのなかでも黒人の運転手に,どう?って聴いたら,not so badと冷めた声.なんとなくなんとなく,そおかあと感じた一日だった.その晩のホテルの近所にお目当てのジャズクラブRegatta barがある.BostonとかCambridgeに用事がるとき行くクラブでケニーバロンとか,チューチョバルデス,亡きブレッカーを$25くらいで聴かせてくれた素敵なバー.この夜は
The Bill Frisell Trio featuring Eyvind Kang & Rudy Royston
ということで,仕事そっちのけで楽しみにしていたのだが,嫌な予感は当然あった.最近のアルバムでは浮遊感は相変わらずだけど妙にまったりしている.まあ,すっかり老成された,そういう内容のライブでバイオリンとドラムとのトリオで浮遊されたのでありました.心なしか,クラブから出ると零下20度の凍結路がとても寒く感じた.

またこんなギターを弾いて欲しいな. 一曲目の静寂から二曲目の破壊的な音のはじまりでノックアウトされる一枚.

Before We Were Born (Electra Musicisn)