K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

金沢・泉野出町「galetasso」 流れる雲の中,月が満つる夜半はオトナの夏休み前夜


近所のバー.

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梅雨が明けて10日.再び月が満ちた昨夜.

夕暮れに,寺町台地の自宅から歩いて蛤坂を下り,犀川大橋を渡って片町に出かけた.ビルの屋上の喧噪の中で仕事仲間と呑んでいた.満ちた月が上がってくるのを眺めていた.機械仕掛けのように時々刻々と上がっていった.早々に辞して帰った.

日中の熱気が籠もった部屋で居眠りをし,浅い夢をみていたような気がする.風がなく,ねっとりとした,まとわりつく様な大気の中を月明かりを頼りに歩いていた.木々は月明かりのなかで影となり,天蓋に散らばる星は月明かりのなかでやはり影となっていた.淡い雲が流れ,時折,自分の影がかすれていた.足元が覚束ない路をだらだらと歩いていると,遠くから誰かが伺っているような気配があり,振り返ってみても影が伸びているだけで,ねっとりとした大気が流れていた.気がつくと随分と冷たい汗をかいていた.

そんな心地が気色わるく,夜半過ぎに部屋の窓を明けたまま外に出た.空には秋のような千切れた雲が畳みかけるように流れていて,影が濃くなったり薄くなったり.そして閉店間際の近所のバーへ出かけた.昨夜のそこは何か不思議にはしゃいだ雰囲気になっていて,呑みたいだけのボクには喧しくなっていたが,イヤな気持ちになる訳ではなくて,何か分からないけど懐かし気持ちで呑んでいた.バーテンK君とチョボチョボ話をしているうちに,ようやく三杯目で気持ちが溶けてきた.その頃になってボクがぼんやりと想いだしたのは「夏休みがはじまる前の夜」.とても昂奮して,眠ることが勿体ないような気持ちになった夜.いろいろなコトがはじまり,おわる夏の昂奮.それから何十年もたったけどね.きっと賑やかなオトナ達も,十五夜の浅い眠りのなかでいろいろなコトを夢見て,ナニかがはじまり,ナニかがおわる予感に昂奮しているのだろうな.

定刻を1時間以上過ぎた頃に,遅い閉店.月が満ちたる夜半遅く,ボクの気持ちの中にも「夏休み」が静かにはじまった.さて,ナニをしようかな.