K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

バンコク・スクンヴィットのsoi奥


夜明けのあとのSoi(小路)の奥は静か
---------------------------------------


太平洋の西端に広がる島弧、極東と呼ばれる島々の縁に沿って、随分長いあいだ南に飛んだ。暗闇の中スワナプーンに着いた。機内から出たそのときから、約束のように香草の匂いがまとわりつく。それが微かにこの地での昂揚感を想い出させる。


スワナプーンにはパクチーの仄かな香が


時として霰が交じる荒天の金澤、冬に向けて勢いづく低気圧のもとにある、から随分時間をかけて、夜明け前にこの地に辿りついた。待ち続ける時間を幾度もくぐって。すっかり待ちくたびれた半日。

カシミアの薄いセータを脱ぐ必要もないひんやりとした明け方は、南回帰線を太陽に向けて傾げた地軸の産物。熱帯にだって秋はあること、を何時だったか知った。だから11月はボクらのような熱帯を正面から受け止められない滞在者のための季節。

ボクはSoiの奥にあるカフェに座ってぼんやりとしている時間がとても好きだ。辻に祀られる聖天様(ガネーシャ)、随分少なくなったような気がするホンダ2ストロークの轟音、けたたましく鳴く鳥(ギャテーギャテーと聴こえる)、夜半からSoi沿いに広がる屋台が引き上げる列、排ガス混じりなんだけど乾いた風、通学の子供、違法営業のディスコから引き上げる女達(正規には1AM終業。タクシンが作った風営法.首都圏で彼が人気がない理由の一つ)、インド人、アラブ人、大概はイサーン風の女連れ初老のアングロサクソン人.....秩序だった混沌。


給仕の女性との仄かなやりとりや、匂い立つスープの湯気や、垂れ流されるCNNのテロップや、皿を叩くフォークやスプーンの音を独り感じながら、滞在というにはあまりに短いバンコクの二日間が今はじまった。

今朝は鶏肉入り粥に生姜、ネギ、唐辛子をたっぷり