K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

The singers unlimited: A capella (1971) 音を聴くといふことに救いが欲しいならば

The singers unlimited: A capella (1971, MPS)
   1. Both Sides Now
   2. London by Night
   3. Here, There and Everywhere
   4. Lullaby
   5. Michelle
   6. Fool on the Hill
   7. Emily
   8. Since You Asked
   9. More I Can Not Wish You
  10. Try to Remember

ボクはとてもシニカルな感覚で音楽を聴きはじめた。ボクの「カタチ」が、美しく壊れないかと、アリもしないことをいつも考えていた。あたりまえのように、Free Jazzを聴いてみたりしたのは30年前の話。音楽に癒しを求めるなんて反吐が出る感覚、であったと思う。

そんな摩耗するような感覚の露出を行っていた時期が長かったように思うのだけど、それから30年近く経って分かったのは、なんだか意識の水面下で救いを音楽に求めていたようなヴェクターもしっかりあった、ということ。

そんな感覚,音を聴くといふことに救いが欲しいならば,ボクが聴いているのは,コーラス・グループ:The singers unlimitedのA capella。男性3人,女性1名のコーラスが生み出す重層的、かつ純度の高いヒトの声を聴いていると、一歩,一歩、感覚が一つ上の階梯にあがっていく感覚、に満ちあふれるのだ。

知らないヒトは是非、聴いてみて欲しい。そこには音楽を聴くという愉悦に満ちあふれているから。そして独りでいるその時間が輝く感覚を、ほんの少しだけ掌中に感じることができるから。

 

Both Sides Now

 

Here, There and Everywhere

 

Michelle