札幌から金澤にかえってほっとする間もなく、再び仕事で巡業のような旅に出た。
名古屋の空はまだ夏の色だった。味気ない街路樹がある通りを歩いていたら、蝉の鳴き声が気になった。それでも、風は既に秋の色を帯びていた。
そして今夜は大阪。仕事を終えて窓から見える景色は、安っぽいパノラマ写真、そう修学旅行先のお土産やで売っていた、彩度ばかり上げたような観光写真のような。それでも、あまりに立派な造りモノなので、それはそれで面白く眺めていた。そういえば、食い倒れの人形や、川底から引き上げられたカーネル・サンダースはどうしているのかな。そんなことしか思い浮かばない大阪の夜。おやすみなさい。
