K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

金沢・白兀山(880m):翳りのなかで下る寂しさ


白兀山山頂から日本海をみる

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 今年の初登山。昨夜は遅くまで吞んでいて、朝遅くに起きたら天気がいいので舌打ちしてしまった。この頃は出張が多く、自宅で週末を過ごすのは久しぶり。

 暫し、スキーか登山か悩んだのだけど、かような良い天気は滅多にない北陸だから、独りでも歩ける医王山を登ることにした。4月の残雪期に登って以来。人混みのなかで過ごすことが、何となく嫌だったし。

 家を出たのが11時。見上峠から登りはじめたのは12時前。空は蒼く、なんだか北陸にいる感じがしない。冬期閉鎖された林道を歩く。軟雪のうえに比較的固いトレースが伸びていてツボ足で軽快に登る。遅い時間なので、急ぎ足。

 ぽっかりと白兀山から奥医王山がみえると、ひろびろとした空のもと気持ちも広々としてくる。西尾平までの林道にはデブリもなく、軽快に歩くことができる。

 西尾平の小屋は埋もれていてた。積雪が1mを超えているようだ。ここでワカンを履いて、登山道を上ることにする。ワカンでの山登りは初めて。本当は山スキーにすれば良かったと考えていたのだけど。

 白兀山山頂に向かう急登はなかなか疲れたのだけど、13:40には頂上についた。富山平野が一望。残念ながら北アルプスは見えなかったけど。だけど南には海原のように山並みが続き、北には日本海。すこぶる眺望が良く、楽しむことができる。

 随分と昔、積雪期の山が好きで、スキーを持って北八ヶ岳に行っていた。そんな頃はすぐに雪山に行くことができる場所に別荘を物色していたことを思いだした。バブルで高騰して、叶わなかったけど。そうこうしている内に忙しくなって、そんなこと忘れていたけど。はっと気がついたら金沢にいて、気が向いたら雪山で遊べる環境に居る。願って逃げられ、無心で辿り着いた感じ。

 遅い時間から登ったので、山頂に着く頃には高層雲が流れていた。下山中、陽は傾き、翳りのなかを独り歩いていた。そんなときには何も考えていなくて、だからそんな時間が愛おしくなるのだ。ただ木々から漏れる光を眺めていたりするだけ。

 そんな翳りのなかで下る寂しさが好ましいものに思えるのだ。素敵な日曜日。

 

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11:50 : 見上峠出発。西尾平まで林道(除雪はされていない)。

13:40 :白兀山頂上

13:50 : 白兀山頂上出発

15:10 : 見上峠まで下山