K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bjork: Vespertine (2001) 独り夜に背中からのびる影のような


 いつだったかNHK衛星放送で、近年のライヴを聴いてから、気になる存在となっているBjörk。ボクの海馬体の引き出しではKate Bushと一緒に収まっている。まあ、そんな感じの存在だよね。概ね気持ちがよい,時として気持ちがわるいエキセントリック。

 幾つかのアルバムは聴いているのだけど、このアルバムが今のところ一番キモチに入ってくる。今のような冬に過ごす孤独感をゆっくり炙り出すような執拗な音世界。そしてそれが肯定的であるような気分にさせてくれる。独り夜に背中からのびる影のような音。

 大分と人の気配がなくなってきた仕事場で,暖房機のオトだけが寂しく響いている。そんな雰囲気にしっくりとはまり込むような音を聴いていると、倒錯したような心地よさに呆れてしまった。ちょっと忙しすぎるよね。

 それにしても,このテの打ち込むオトを聴いていると、バンコックあたりのバーでよくかかるトランス音楽を想い出して、ただただボンヤリしているのだ。