K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Archie Shepp, Mal Waldron: Left Alone Revisited (2002) なんだか調子が出ないのだけど

 6月には仕事でタイやカナダに出かけた。その準備だとか、不在の穴埋めとか、とても気忙しい日々を送った。6月も終わろうとしているのだけど、体調が急降下。喉がザラついている。ボクは少々のことでは医者にかからないのだけど、ノドは商売道具なので(歌い手ではないけど)、仕方なく受診してクスリを飲んでいる。そんな調子。

 昨日から仕事場で聴いているのはアーチ・シェップとマル・ウォルドロンのデュオで2002年の吹き込み。マルは2002年末に亡くなっているので、遺作じゃないのかな。昨日記載したレッド・ミッチェルといい、アート・ペッパースタン・ゲッツとか遺作がデュオという奏者が散見される。気のせいか?どれも素晴らしい出来で、夢が枯野を駆け巡るような心象を十分味わうことが出来る。

 ボクはマルはあまり聴かない。例のLeft Aloneのマクリーンのソロでコケてしまうから。あのパパ・プーという過剰な思い入れに、ついていけなかったから。スタイルも独特なのだけど、未だ気持ちに入らない。このアルバムは例外的で、主役シェップに対して控えめに叩いていることが効を奏し、匂いたつような綺麗なピアノ。匂うといっても、抹香系なのだけど。生きることを店仕舞いする前の淡々とした振り返り。

 実は、このアルバムでシェップの味わいが気になってしまい、その後、目に付くとアルバムを手にしている。黒々とした色艶を楽しむことを覚えた後は、Free JazzやFunkも関係なく楽しめている。フォーマットと関係なく、シェップは不動の響きを唸っている。それがいい。もっとも、黒々とした色艶を意図的に強調したようなVenus盤は、ちょっと色艶の等化(イコライズ)をやりすぎ。クサヤのように臭うのだけど。断じて匂う、ではないのだけどね。

 喉が痛いので、空調を止めて、汗をかきながら聴いていると、程よくぼおとする昼下がりなのだ。

 

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Archie Shepp & Mal Waldron: Left Alone Revisited(2002,Enja)
   1. Easy Living
   2. Nice Work If You Can Get It
   3. Everything Happens To Me
   4. Left Alone
   5. When Your Lover Has Gone
   6. I Only Have Eyes For You
   7. Blues For 52nd Street
   8. Porgy
   9. Lady Sings The Blues
  10. Left Alone (Spoken Lyrics)
Archie Shepp(ts,ss), Mal Waldron(p)