昨夜は駿河台から湯島界隈でジャズを聴いたり、呑んだり。金沢出身のK君と話をしていた。彼は金沢がとても好きで、そして遠くから想う、そんな犀星のような心象風景のなかにある。夜半前に別れ、彼は中央線を上ったり下ったり、そしてボクは金沢の迷路の中で自転車を漕いでいる。
そして今宵は久しぶりの金沢。日没後、自転車で帰宅途中、月の光で医王山が浮かび上がっている。満月。東の空を眺めながら橋を渡っていると、犀川の面がとても明るいのには驚いた。暫し、月見。
そう4年前に金沢にやってきた当初、月が大きく明るいことに驚いたことを思い出した。音がするように古い硝子窓に射し込む光を飽きずに眺めていた。漆黒の闇を貫く光束が見えたような気がしていた。独りで、そんなことばかり考えていた。