K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Getz/Gilberto 76 (1976) この音を聴くしあわせ

 昨年のRecord Store Dayで発売されたResonance recordからの10 inchのミニアルバム。世界で何枚だったかなあ、の限定プレス。音源が音源なので迷わず手が出た。片面10分に満たない、アルバム。(購入にあたっては、アキヒロ君を煩わせました。感謝。)

 1976年のキーストン・コーナーでのライヴ。巷間では、ゲッツとジルベルトの不仲が伝えられ、同じ1970年代にコロンビアから発売された再会セッションもオーヴァーダブだという説もあった。そんなことは、どうでもいい話なのだけど、ライヴで共演したという事実にはニヤっとする。

 最近になって、CDとLPレコードでフルのアルバムが出たようなので、このアルバムの存在価値は、?なのだけど、それでもごく短い時間だけど、この音を聴くしあわせ、を感じさせる。ライヴ会場のざわめきに似た雰囲気のなかで、唄うジルベルト、そして唐突にキックを入れるゲッツのサックス。ほとんどジルベルトのアルバムなのだけど、それでいい、と思う。聴いている間、ゆっくり思考を止めて、ボクたちをとりまく時間が変容していく、そしてはるかにゆったりとした流れの中に浸っていく。そんなひとときを与えてくれる音だから。

 そして40年前のライヴ会場のなかにいる。緑色の音盤のうえに針を下ろした後は。片面10分に満たない幸せなトリップ。

 

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