昨日届いたLPレコード。既に持っているのだが、海外のsellerから購入した時点で傷が入っていて、ずっと気になっていた。国内で出物があったので、買い直した。この時期のレコードは少ないのだけど、海外のサイトを見るとモノは十分あり安価。国内はずっと高い。海外からの送料(レコードより高い)さえ安ければ、といつも思う。
そんなことは、さておき。
最近思うことは、キース・ジャレットは加齢とともにピアノを美しく鳴らすようになっていく、と思う。Facing youやKoeln concertは生硬な印象を受ける。だから、このレコード、ケルンから10年以上後、ではピアノの響きがとても美しい。レコードへの拘り、偏愛でもいい、に悦びを感じる。
キースのソロには様々なスタイルが混在している。美しい旋律が明瞭なもの、無調で抽象的な音塊が流れるもの、そしてスタンダード的なアンコール。このアルバムはケルンコンサート同様、宗教曲かと思えるような美しい旋律ではじまる。甘く、そして時として天に舞うような印象。弱音の響きが美しい。
そしてアンコールのThe windの冒頭の飛翔するが如くの美音。これが大好きで、CDのときから何回も聴いている。この原曲がラス・フリーマンの曲だとは知らなかった!レコードの書誌をまとめることも意味があるなあ、と思った。
古レコードを買うと割りによくあることなのだけど、何回か溝をトレースすると、膜が取れたように音が全面に出て美しく鳴る。不思議なものだ。レコードが生きている、と思える瞬間だ。
参考記事:
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(ECM1401) Keith Jarrett: Paris Concert (1988)
A. October 17, 1988 (Keith Jarrett) 21:45
B1, October 17, 1988 (Keith Jarrett) 16:45
B2. The Wind (Jerry Gladstone, Russ Freeman) 6:32
B3. Blues (Keith Jarrett) 5:22
Keith Jarrett(p)
Artwork: Barbara Wojirsch
Engineer: Andreas Neubronner, Peter Laenger
Photograph: Jean-Pierre Larcher
Producer: Manfred Eicher
Released: 1990
Digital Recording, October 17, 1988 at Salle Pleyel, Paris.