リーブマンとは、つかず離れず、のような長い付き合い。今でも、ふっと気になる奏者。ブラックストンがタウンホールで意識に刻まれたのならば、リーブマンはこのアルバム。はじめて聴いたのは、高槻に「一軒しかなかった」ジャズ喫茶で。1979年のことだ。(高槻がジャズの街、のような惹句を見ると、噴き出してしまう。そんな雰囲気のない個性のない街だったよ)
このアルバムをはじめて聴いたときの驚きは忘れられない。阪急高槻駅前の雑居ビルの一階のドアを開けると、圧倒的な音の空間、3人の奏者が等間隔に立並ぶ三角形の空間のなかに、自分が置かれたような錯覚、のなかに放り込まれた。そのあと京都の十字屋で見つけて、すぐ購入した。
当時のフリー・ジャズではあるが、ジャズとしてのビート、ドライヴ感は維持しているので、思いのほか聴きやすい。現代ジャズと呼ばれる今の音、と同じように、細分化されたパルス状のビート、モーゼスのドラムが冷たく加速していく様は、快感そのもの。リーブマンも、コルトレーン的なフレーズを残しながらも、彼らしい鋭利な音を吹き続ける。
ふっと、その後の40年の重みと、このアルバムの重みを比べて、拮抗しているように思えてしまうのは何故だろうか。そんな素晴らしい完成度のジャズ、なのだ。
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Dave Liebman: Open Sky (1972, PM)
A1. Flute Piece (Mike Garson) 9:11
A2. Our Life(Bob Moses)/Places(Dave Liebman) 12:50
A3. Deep (Frank Tusa) 1:50
B1. Questions (Dave Liebman) 10:45
B2. Arb Om Souple(Bob Moses)/Constellation(Dave Liebman) 8:03
B3. Devotion (Bob Moses) 8:07
Dave Liebman(fl, cl, ts, ss, perc), Frank Tusa(b, bells), Bob Moses(ds,Kalimba )
Cover Design: Oskar Schnider
Cover Painting: Eugene Gregan
Engineer:Dave Baker
Producer: Gene Perla
A1, A2, B1, B2 Recorded live at WBAI-FM Free Music Store, New York City. May 1, 1972. A3, B3 recorded June 10, 1972.