K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

ちゃぷちゃぷレコード編:Free Music 1960〜80 (2016) 現代音楽とジャズ、そしてFree Music

Free Music 1960 80

Free Music 1960 80

 

今、好んで聴いている音楽、Free Music。ボクのなかで、あの音の何処に惹かれるのか、それ自体が移ろい、揺らぐ感覚があって面白い。歪んだ、非線形特性を有する鏡のような自分自身の特性を、音を注入して測定しているような、ものだ。

今は楽器、振動部と共鳴手段とからなる物体、の音響の可能性の限界、のようなものが面白くて聴いている、感覚がある。ジャズで云う即興、というものは第2線に退いている。メシアンやケージのピアノ曲の美しさ、に惹かれてから、即興そのものは作曲手段の1つであって、それ自体が目的化することには意味を感じていない。

この本は、幾つかのFree Musicに関するメモ(聴き手、弾き手による)とディスクレビューからなっている。上記のような意識を持ちながら読むと、そのどちらも面白い。特に横井氏の欧州におけるFree Musicの成り立ちは、現代音楽とジャズ、そしてFree Musicの関係を知る上で面白かった。

ディスクガイトに特化した続編も出たようだ。

Free Music 1960 80: Disk Guide Edition

Free Music 1960 80: Disk Guide Edition

 

残念なのは、続編とともに1980年までであること。ボクが幾つかのライヴを体験して、Free Musicに興味を持ったのが1980年から1985年くらいなので、実際に何となく理解できる時代が対象。1980年代以降に大期待なのだけど、出版予定はあるのだろうか?田中啓文氏の著作の続編とともに、読みたい。 
追記:

Free Music 1960〜80の本編、続編ともにKindle本がある。追いかけ購入する積もり。ともに紙媒体で購入したが、ディスクガイドとKindleの相性は良いと思えるのは、レコード屋に持って行き、その場で確認とれること。脳内の記憶容量・品質ともに、毀損し続けている身としては、つくづくそう思う。

フリー・ミュージック1960~80: 開かれた音楽のアンソロジー

フリー・ミュージック1960~80: 開かれた音楽のアンソロジー

 
Free music 1960~80: Disk Guide

Free music 1960~80: Disk Guide

  • 作者: 末冨健夫,金野吉晃,河合孝治,横井一江,豊住芳三郎,川口賢哉,牧野はるみ,織田理史
  • 出版社/メーカー: TPAF
  • 発売日: 2017/01/23
  • メディア: Kindle
  • この商品を含むブログを見る
 
聴いたら危険! ジャズ入門 (アスキー新書)

聴いたら危険! ジャズ入門 (アスキー新書)