1970年代のカーリン・クローグのアルバムには、サイケな味が美味しいように思う。
それを期待して入手したが、ちょいと違った。
このアルバムはサーマンとの共作。と云うと、数年後のECM盤Such winter of memoryを思い出す。冷たい大気に中を漂うようなバリトン、シンセサイザ、声。如何にもECM的北欧サウンドであったアレ、とは少し違う。
もう少し変化があって、当時としては非ジャズ的なビートや欧州フリージャズの味が効いたアルバムになっている。音の造りはリピダルのロック的な風味に近いものがあったり、サーマンのシンセサイザが後年のECM盤に繋がるような音のゴツゴツした肌触りを作っていたり、で面白い。
音のパーツはECM的ではあり、また録音も Jan-Erik Kongshaugだったりするのだけど、何か余計で、何か足りなくてECMの音にはなっていない。アイヒャーの統制のようなものが、逆引きで見えてくるアルバムなのだけど、その少し無軌道な感じが悪くなかったりするのだ。
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Karin Krog, John Surman: Cloud Line Blue (1979, Polydor)
A1. Alone Song 4:23
A2. New Spring 6:53
A3. Eyeless In Movement 6:26
B1. Jonathan 7:25
B2. Empty Streets 4:12
B3. Cloud Line Blue 8:52
B4. Edge Piece 2:53
Karin Krog(voice), John Surman(ss, bs,b-cl, synth, g, p) , Janet Cooke(p, strings), Stu Martin(ds)
Engineer : Jan-Erik Kongshaug, Neil Richmond
Producer: Karin Krog, John Surman
Recorded at Riverside Recordings, London and at Talent Studios, Oslo