K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

浅川マキを観る(1月17日)諸々の話が脳裏をかすめ

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昨日は浅川マキの命日だった、そうだ。名古屋のJazz in Lovelyでの興業中の宿での急死。だから丁度9年前の1月18日に、「あの店」で話題になった記憶がある。金沢に住みはじめた年で、「あの店」に行きはじめた直後。一晩中、彼女のレコードを聴いていた、のではなかったか。日本のジャズレコードを聴く上で、浅川マキは避けられない存在だと改めて認識し、その少し前からレコードを集め出した直後のことだった。

店主は、寺町で不思議屋という店というかプロモータというか、をやっていたということで、浅川マキを知っていた、らしい。

見たことがない「不思議屋」の様子を書いた記事をみつけた:

下の記事がその店主で、浅川マキとの思い出を「憧憬の彼方へ」ということで記載しyているが、これを書いてから彼自身、記憶を持ったまま彼方へ行ってしまった:

最近、夜中に一杯やっているバーの客のIさん(ボクと同じ名字)も、不思議屋の手伝いで浅川マキ乗車のクルマの運転手をやったよ、とささやかに自慢していたので、やはり金沢は浅川マキの故郷ならではの空気感があるのだ。

 

という長いまえがき、を書いたわけだが、間違いなく、昨日のもっきりやに来た多くの客はそのような何か、を持っているのではないか。そんな60代が多いように思えた。

最近、東京を中心に上映が行われていて、なかなか、それだけのために上京する訳にはいかないので、見ることができないで居た。だから、今回、金沢での上映が企画され、とても嬉しかった。うっかり命日に企画されたことには気がつかなかったが。

地元紙にも掲載されたためか多くの来客で、入れ替えの2回上映。ボクは忙しかったので2部に。静かに聴けるかな、と期待の10PM開始。そうはならなくて、2部も満員の盛況。「あの店」の客だった方も何人かみかけた。

上映に先立ち、フィルムの由来を監督の山崎さんから説明。レコードやDVDから知る浅川マキと全く同じ感じのやりとりで、依頼されて撮影したと。確かにとても近い、プライヴェートのような映像であった。吐息が伝わるような。。

演奏は1988年と1992年、池袋 文芸坐でのライヴ。植松孝夫のブロウの響きの良さ、渋谷毅の柔らかな美音、川端民生の太いビートを堪能。また1992年のバンドは1970年代ジャズ的な感じで、1988年のバンドはファンク。

残念だったのは、多忙で疲れた状態で行ったこと。少し辛かったな。でも、多分、そこに居た人が追憶に近い感情を確かめた、そんな雪が降り始めた夜だった。

平賀さん、山崎さんに感謝申し上げます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ふと池袋 文芸坐で思い出したのは、不思議な経営者。三角寛。もと朝日新聞の記者で、その後、フリーの小説家。

日本のジプシーと呼ばれた”サンカ”を取り上げ、小説にしている。戸籍にない流浪の民と呼ばれ、戦後暫くまでその存在は確認されている(雑誌マージナルに詳しい)。五木寛之の小説にも出てくるアレ、である。萩原健一主演の映画「瀬振り物語」にその残滓のようなものが垣間見える。三角寛はその「学術調査」も行い、東洋大学から文学博士を得ている。しかしその記述の殆どが作為である調査も報告されている。

サンカもまた歴史の闇に消え存在であり、「アングラ」の最たるものである。奇しき因縁といおうか。