K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

須川崇志トリオ@飛騨・古川: 解体されたような音の集合体が

 昨年のアルバムで強い印象を残した本田珠也のIctus。そのIctusトリオのライヴが飛騨・高山であった。逡巡して行かなかったことが澱のように気持ちの底に残っている。
そのIctusから1年後、Ictusのメンバーである須川崇志のOutgrowingが出た。これもまた強烈に印象を残すアルバム。その同じメンバーでのライヴが飛騨・古川で行われると知って、昨年の後悔のようなものを思い出した。

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そんな訳で、仕事の後に金沢から古川往復を挙行。飛騨は雪が舞う状況で、なかなか山越えが怖ろしかったのだけど、そんなことも忘れさせる素晴らしいライヴだった。

(行きの飛騨清見インターから古川までの山越えは降雪のなかの幅員が狭い箇所もある道。帰りの471号線/360号線もショートカットで高山線沿いで大丈夫かと思ったが、通行車両なしでビビった)

そのときのメモ:

折り重なる過去の音が作る干渉のようなものが、さらに通奏低音のような音場として聴き手を包み込んでいる。

素晴らしい演奏だった。昂奮に満ち、そして美しい。速度感に溢れ、音空間の深みを感じさせる。ありがとう!

このトリオの演奏の基底に、ある種の作曲・編曲行為が色濃くあって、解体されたような音の集合体が、抽象画のように大きな音像を作るような印象であった。この点では、田中鮎美らのNakamaに近い、作曲・編曲行為との距離感を感じた。トム・レイニー良かったなあ。

須川崇志は、峰厚介のバンドの一員として、5月に飛騨・高山に来るとのこと。今度はゆっくり行きたいなあ。