K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

David Sylvian: Blemish (2003) レコードの落とし穴

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David Sylvian: Blemish (2003, Samadhisound)
1. Blemish 13:42
2. The Good Son 5:25
3. The Only Daughter 5:28
4. The Heart Knows Better 7:51
5. She Is Not 0:45
6. Late Night Shopping 2:54
7. How Little We Need To Be Happy 3:22
8. A Fire In The Forest 4:14
David Sylvian(performer), Derek Bailey (g on 2, 5, 7), Christian Fennesz(electronics)
Composed by David Sylvian, Derek Bailey (tracks: 2, 5, 7)
Engineer [Derek Bailey Session Engineered By] – Toby Hrycek-Robinson (tracks: 2, 5, 7)
Engineer [Engineered By] – David Sylvian (tracks: 1, 3, 4. 6 & 8)
Producer : David Sylvian

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このアルバムのような舞台、背景音のように流れる即興音、が結構好み。それでいて、微係数が高いベイリーの即興音と対峙するような深い声、それぞれが押し広げる音空間が堪らなく好きだ。

長くレコードで聴きたい、と思っていたが叶わなかった。多分、プレス枚数が少ない2010年頃のもの。昨年に再発が決まって嬉しかったな。勿論、針を下ろすと、求めていた音が流れる。さて、気がついたのは、この手のノイズのような音を扱う音楽が、CDを前提としている、ように思えたこと。CD上での、レコードのトラッキングノイズ的な音(ボッのような)は、ある種のノスタルジイを誘う装置、だと思う。古いダイナミックスピーカー拡声器のような音響処理と同じ。しかし、それをレコードで聴くと、レコードの傷、のようにしか聴こえないこと。思わぬ落とし穴、のように思った。

 

[2018-01-09] 散らばった音のピースを集めて

 ディレク・ベイリーのトラックだけでなく、ディヴィッド・シルヴィアンの「本体」のアルバムも入手。

シルヴィアンの声質が好みであることもあり、存外に良い。入手時期は年末で、故障したエアコンの入れ替え工事で配管トラブルがあった頃。工事中にぼんやりアルバムを聴き始めたら、第一声に工事の兄ちゃんが反応。なんだか、ほっこりしてしまった。

全8トラックのうち、3トラックにベイリーが参加している。壁紙みたいなものだな、と思った。ベイリーのトラックは抽象画のようなもの。それだけで楽しめる人もいるし、そうでない人もいる。シルヴィアンのアルバムという「建築物」に壁紙として貼られると、これが実に分かりやすく見栄えする妙、が可笑しかった。聴いていて楽しい。非調性であることが解毒され、純然たる音の美しさが抽出されている。

散らばった音のピースを集めて構造物を作るシルヴィアンの感覚の鋭さ、が聴きどころ。録音も良く、楽しい。remixが聴きたくなってきた。

Blemish

Blemish

 
オンリー・ドーター~ブレミッシュ・リミキシーズ

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