K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Derek Bailey: Playbacks (1999) 芯のように畳み込まれるベイリーのビート

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 デレク・ベイリーを聴いていると、いつも「微分された音」だと感じる。だから、音のはじまり、とか、音のおわり、のような区切りに鋭いトリガのようなもにが走る。結果的には、それが韻律のような働きとなって、暗黙のビート音楽、のような認知がなされる(ボクのなかで)。

 それに気がついてからが面白く、ベイリーにハマった。

 で、さらにベイリーとビートとの対決的なアルバム、すなわち顕在のビートと潜在のビートの交わらざる競合、のような感じが面白い。こんななかで、ベイリーの音の「ジャズ性」に気がつき、惹かれている。

 Sightsongの齊藤氏からすすめられたのは、このアルバム。

 様々な奏者が用意したトラックにベイリーが重ねて録音したもの。用意されたトラックは、ビート音楽からimprovised musicまで混在するが、ベイリーが音を重ねることによって、ベイリーのビート(のようなもの)が芯のように畳み込まれる。そして、意識下で揺動する何か、があって、そのスピードがとてつもなく早い。それは、ベイリーが飛び散っていく音を捕まえようとする意思、のようなものではないだろうか。緊張を孕んでいる。

参考記事:

Playbacks

Playbacks

 

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Derek Bailey: Playbacks (1999, Bingo)
1. Darryl Moore/ D For D. 6:12
2. Henry Kaiser/ HK D&B 4:44
3. Casey Rice/ Resigned 4:08
4. John Herndon/ Please Smile 3:15
5. Tied & Tickled Trio/ Tickled 3 4:42
6. Bundy K. Brown/ BKB Mix 4:56
7. John French/ JF Drums 4:02
8. Casey Rice/ Resigned 2 4:11
9. Casey Rice/ CLB Drums 4:02
10. Sasha Frere-Jones/ Sasha 8:20
11 . John Oswald/ J.O. Complete 5:02
12. Jim O'Rourke & Loren Mazzacane Connors/George 5:25
Derek Bailey (g)

Derek Bailey, electric and acoustic guitar, playing over pre-recorded tracks created by the musicians indicated (with the exception of track 11, created by John Oswald from other recordings of Derek Bailey). Derek Bailey recorded at Moat Studios, London on 19 March 1998.