K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Scherbakov: 24の前奏曲とフーガ(ショスタコーヴィチ)


(ジャズ狂のクラシック18)
Konstantin Scherbakov: Shostakovich-24 Preludes & Fugues Op 87(Naxos)

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雷鳴がおさまった夜半まえ,静かな街を歩いて帰った。
帰る路すがらに灯るあかりをみると、あのドアを開かなくてはならない。
そこで聞いた、あれが獅子起こし。
二巡めの金澤なのだけど、感度が随分落ちていることに改めて気がついた。
季節の変曲点で呑む時間は楽しい。
こんな静かな気分で次の季節を迎えることは珍しいし楽しい。
静かなカウンタで、スキーだとか雪の尾根筋の足跡だとか、ぼんやり考えていた。
タマにカウンタのナカの人とかヨコの人とかとぼそぼそ。
こんな宵には李白の句が頭を駆け巡る。
古のヒトは琴で交感するのだろうけど、
現のボクには琴を抱かずも、
いつしかまた一杯一杯復一杯。

帰り路には随分と枯葉が落ちていた。
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山中與幽人對酌
李白

兩人對酌山花開
一杯一杯復一杯
我醉欲眠卿且去
明朝有意抱琴來

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自宅に帰るとKonstantin Scherbakovの24の前奏曲とフーガ(ショスタコーヴィチ)が届いていた。
(最近、参考にさせて頂くBLOGで知った。ありがとうございます。)
静謐な空気を伝える演奏で昂ぶらないピアノの音が綺麗に流れていく。
今の季節の気分にあっている。
リヒテルショスタコーヴィチ自身の演奏のように迫ってこないだけに、いい距離感。
静かな夜にヴォリュームを落として聴いた。
酔っぱらいだから、居眠りしながらなのだけど。

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目覚めのあとも Scherbakovを聴く。
安住まいの冬は隙間風のような、流れを感じるトコロから始まる。
ひかりが部屋にさしているのだけど、竹藪の揺らぎが、爽やかな雑音のような音で消えてしまった。
外をみると、晴れ間の雨。

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高い雲が切れて晴れ間が見える朝、音を立てて斜めに雨が流れていった
裏の竹藪の動きが緩慢になり、静物と化したとき、国境沿いの山には陽があたりはじめた
雲が沸き立ち陽が翳りだすと、空が幾倍にも広がった
淡い光のなかに霞む山嶺にはもう雪が降ったのだろうか