K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

酷暑のハノイから雨のバンコクへ


 蒸せ返るようなハノイで熱気にあたったような気がする。少々、疲れた感じがするので、移動日は朝から呑んでいた。あまり論理になっていないのだけど、ダメな日ということ。田舎のようなハノイの国際空港は楽しそうなヴェトナム人やタイ人で溢れていて、その間を日本やフランスの旅行者がすり抜けていく。その喧噪がなんとなく楽しい。なんとなく気持ちもよくなって、お土産に笠を買った。随分前、30年近く前から欲しかったのだ。真夏に近藤等則IMAを昭和記念公園で聴いたときに、知人の弟がヴェトナムで買った笠を被っていたのを見てから。よくもそんなツマラナイことを覚えていたものだ。あと、お土産にヴェトナム・コーヒー(って、どんなのだろう)。

  バンコクに着いて驚いたのは、随分気候が和らぐこと。30度前後。もう雨期は終わった筈なのだけど曇天。降ったり止んだりの時間が過ぎていた。スクムヴィットのいつものホテルに入った頃はまだ降っていなかったのだけど、小一時間休んで外に出ると降った後のようだった。水たまりの向こうにヒトが過ぎていく。

  その日の夕刻から大雨。街中の湿気が沸騰点に達するとともに、天蓋が破れ、一気に水が落ちてきた。だからすぐ近くのレストラン「キャベジ&コンドーム」までタクシーで出かけた。ここはバンコクでよく行くタイ料理屋。なんでもHIV撲滅運動の団体が経営するレストランだから、コンドームというそう。今までは野外で汗をかきながら食べることが楽しみだったのだけど、雨なので室内。はじめてじゃないかな。だから、こんなポスターがはじめて眼に入った。

 なんだか変な絵だね。食べ終わる頃には雨も小降り。スクムヴィットのいつもの通りsoi11の路上には賑やかに屋台が出ていた。雨降りの後は涼しくて、屋台の灯が照らす路面がキラキラしていて楽しかった。ボクは独りで、いつも行くバーに出かけて、路地風にあたりながらイサーン出身のお給仕と僅かばかりの会話をして、なんとなくバンコクへ来たことの実感を確かなものにするのだ。疲れていたので一杯呑んだだけなのだけど、振り返るとにっこり笑いながらテラスから手を振るお給仕をみて、やっぱりいいなあと思った。