K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

朝早くから仕事に出かけているバンコクの日々


  ボクが滞在しているのはバンコクの中心地のひとつ、スクムヴィット。東西にスカイ・トレインというコミュータが走り、中心地のアソークのはスカイ・トレインに交差し、南北に地下鉄MRTが通っている。だから交通の便がとても良い。今回の仕事ではバンコク郊外の大学。1時間ほど電車を乗り換えて出かける。だから朝6時に起きて、朝7時にはホテルから出かける。日本での日常よりも忙しい。とは云え、ボクは朝のスクムヴィットを歩くのは嫌いじゃない。深夜まで賑わっていた路上の飲食店はもう閉じて​いて、朝食の屋台が湯気をあげている。切った果物、揚げ物などが​蒸せ返るように匂いを放っている。そんな屋台の間をすり抜けて、​仕事に向かうのだ。

  勿論、バンコクの人が皆、屋台で買い食いをしている訳ではない。知人のタイ人(自家用車も持っている、どちらかというとハイ・クラスのヒト)は、未だかつて屋台で買ったことはないそうだ。だからスクムヴィットを歩いていると、ロビンソンにはマクドナルドもある。マクドナルドは往々にしてグローバル化の象徴なのだけど、タイでは​現地化。ワイ、と呼ばれる合掌スタイルでご挨拶。

  スクムヴィットから郊外に出る鉄道の駅は空港風の天井の高い、ガラスをふんだ​んに使ったモダンな造り。ガラス越しに見るバンコクの空は曇り。偏光特性の為か、淡い光のグラデーションがとても綺麗な感​じで、なんとなく寂しい気持ちになる。ふっとバンコクにいる事を忘れるくらい非現実的な光景で、しばらくぼおっと眺めてしまった。

  スクムヴィットを離れ郊外に出ると、空は広く、荒れたような湿地が続いている。その所々に人家が見え隠れしている。気温はバンコク市内より下がって、心地よい風が流れている。やはり、夏のバンコクは避暑感覚。鉄道の駅で風に吹かれながら、迎えのヴァンを待ちながら、だらだらと喋りながら過ごす時間は驚くほどゆっくりで、こんな土地ならそんなに長生きしなくてもいいんじゃないかなあ。ふと思った。