Wayne Shorter: Joy Ryder(1988, Columbia)
1: Joy Ryder
2: Cathay
3: Over Shadow Hill Way
4: Anthem
5: Causeways
6: Daredevil
7: Someplace Called ``Where''
Wayne Shorter(ss), Terri Lyne Carrington(ds), Nathan East(b), Parrice Rushen(key), Herbie Hancock(syn), Geri Allen(p,syn), Darryl Jones(b), Frank Colon(perc), Dianne Reeves (vo)
ここ数日は、忙しくしている。書き物の仕事があって、連休もあったものじゃない。だから、今日聴いている音楽をちょっとだけ紹介。
ボクはウェイン・ショーターのファン。あのサックスの音色も好きだし、そもそも曲が好きだ。だからWeather ReportのLPレコードも全部持っているし、好きだった。それでも、Weather Reportは何だかんだと云っても、中期以降はJoe Zawinulの色が強いバンドなので、ちょっとした不満を持って聴いていた。しかも、Weather Report結成後のショーターのアルバムが一枚しかなかった。そう、それが大愛聽盤のNative Dancer。だから、Weather Reportを聴きつつも、解散したほうがいいんじゃないか、って思っていた。
だからWeather Reportが解散した1986年前後に、相次いでショーターのアルバム(3作)がリリースされたのは、全くもって慶事。その頃はWeather Reportを、もう聴いていなかったしね。
最近のCD屋とかアマゾンでは、何故かこの3作は存在すらなかなか確認できない状態になっている。何故だろうか。ボク(たち)が聴きたかったショーターがしっかりと、ピンで留められているのだ。ポップなリズムの上に、ショーターらしい魅力的なメロディ・ライン。白人のザヴィヌルよりも薄いファンク色。そこに何となく未来のジャズの方向をみていたような気がする。
でもこれが、ジャズ進化論の最終段階、であったことなんか気がつかなかったけれど。その数年後にマイルス・デイヴィスもアノ世に行って、フォーマットとしてのジャズの変化(進化?)は面白いほど、ピタッと止まってしまった。 それは日本が平成に入って「失われた時代」と呼ばれるようになったこととオーヴァーラップしているのが不思議。
だから、今日、忙しい最中にかけてみてハッと気がついたのだ。このアルバムが出た頃はまだ昭和だったんだ、最近のことだと思っていたのに、と。
同時期のショーターのライヴを聴いてみてください。ボクのいわんとすること分かりませんか?