7月13日(金)〜16日(月・祝)に全日本レコードCDサマーカーニバル・金沢篇というイヴェントが金沢駅地下であった。オヨヨ書林のメイル・マガジンで知ってしまった。その前の週に四日市でLPを3枚掴んで嬉しくなっていたので、嫌な予感がした。結局、予定の隙間を狙って3時間/2回ほど滞在。予感の通り、LP26枚、CD2枚を掴んだ。ここではLPを紹介したい。
ひとことで云うと、あの頃に戻ってしまった夏。20歳の頃(1980年頃)に見かけて、買い漏らしたものが殆ど。視点は、
(1)あの頃の日本のジャズ、
(2)あの頃の日本製作のレコード(内容も音がとてもいい)
で、決して米ジャズのBlue note,Prestige,Contenporaryとかが入っていない。おしなべてCDで見かけることが少ないものが多い。自分でも見事、と思うくらい1980年前後のジャズが響く内容になっている(うっとり)。
でも平均単価は1000円で大散財。一店舗だけ500円くらいで名盤目白押しだったので、単価引き下げに随分と貢献してくれて、感謝。
1.菅野邦彦:慕情(1974,TBM)
何と云ってもピアノが綺麗。TBMは抜群に録音がいいし。聴くと、予想通り、日本のジャズそのもの。
2.三宅榛名・山下洋輔:エクスチェンジ(Victor, 1979)
これも買い漏らし。盤質はイマイチでスクラッチも大きいが、ピアノの音は良し。時代を感じるジャケット。
3.日野皓正;Wheel Stone, Live in Memuro vol.2 (1975. EW)
Vol.1は好きな一枚。1980年頃に発掘された音源。vol.2は知っていたけど、買い損なっていた。
4.富樫雅彦・山下洋輔: Kizashi Live(1980, Next Wave)
これも買い損なった一枚。Kizashiは持っている。このライヴは聴きたかった。
5.菊地雅章: But not for me (1978, Flying Disk)
Gary Peacockとの吹き込みなのでEastward(1980)の再現かと思ったら、パーカッション多用のコンテンポラリーな一枚。隠遁マイルスとスタジオで吹き込んでいた頃やね。その後のススト(大好き)の前哨。
6.渡辺香津美: Lonesome Cat(1978, Denon)
何とGeorge Cablesとの共演とは。今はヒゲ親父なんだけど、ジャケットが若い。
7.Hank Jones: The Great Jazz Trio live at the Vilage Vanguard Trio vol.2(1977, EW)
これは日本製作。録音がとても良いvol.1の続編。ハンク・ジョーンズ好きだった亡父の遺品を漁ったけど無かったので、気になっていた。
8.Dave Burrell: only me(1973, Trio)
シェップとの共演で好きなバレル。モンク系のシックでヒップなピアノ・ソロ。今は無きトリオ・レコード製作。凄いね、この時代。
9.George Cables: Some of my favorite things (1980, Atlas)
これも日本製作。ジャック・シェルドン(昔、アート・ペッパーと奏ってた)とか渋い奏者のアルバムが印象的だったレーベル。当時、買うには若かったけど。
10.Gill Evans: Live at the Sweat Basil(1984, Electric Bird)
これも日本製作。ギル・エヴァンス好きなのだけど、就職直後の大変な時期で買い漏らし。30年近く、気になっていた。
11.Archie Shepp: Ballads For Trane(1977, Denon)
これも日本製作。この頃のDenon(デンオンだよね)も素晴らしいアルバムが多い。カネ余りだったのではなかろうか。事業性が見えないくらい素晴らしい。
12.Live Stuff(1978, WB)
多分、ワーナー・パイオニア作成の日本ライヴ。スタッフを楽しめるようになったのは最近。
13.Mike Mainieri: Wanderlust(1981, WB)
これも、多分ワーナー・パイオニア作成じゃないかな。Denonが製作したステップのアルバムで中心的な役割。
14.Andrew Hill: Hommage (1975, EW)
日本のEast Wind作成に外タレは素晴らしい企画モノ(さっきのハンク・ジョーンズとかアン・バートンとか)が多く、録音がいい。これも(多分)そう。ヒルのソロ。ブルーノートの60年代吹き込みがいいので、期待。
15.Andrew Hill: Live at Montreux(Arista freedom, 1975)
これもヒルのソロ。ここから日本製作ではない。これもヒルのソロ。
16.David Friesen: Other Mansions(1980, Inner City)
ギターとベースのデュオ。静謐系奏者なので、大期待。
17.Chico Freeman: No time left (1979 , Black Saint)
伊Black Saintはレーベル買い対象。このころのフリー系奏者を中庸な感じでまとめさせて、バランスがとても良い。
18.Don Pullen: Healing Force(1976, Black Saint)
これも伊Black Saint。Adamsとの共演でパーカッシヴなピアノが素晴らしいピューレンのソロ。何だかモンク系のピアニストのソロばかりと気がつく。
19.George Adams, Archie Shepp, Heinz Sauer: Frankfurt Workshop '78(1978, Circle)
独Circleって未入手のGil Evansがあった(日野皓正が入っている)があったなあと、とても濃いテナー3本に目眩が。
20.Toots Thielmans: Spotlight on Toots Thielmans(1961, 蘭Polydor)
これはテキトーな買い物。聴いてみるとハーモニカが入っていない!ギターのみ。そんなのアリ?と思うが、確か元来ギターで余芸のハーモニカで名をなしたんじゃないかな。
ここからは非ジャズを覗き見
21.The pointer sisters: That's a plenty(1974, Blue Thumb)
ポインター・シスターズは持っていなかったから。解説は亡き中村とうようさんで、少し泣けた。LHRが源流だそうで楽しみ。
22.Earth Wind & fire: Raise !(1981, Columbia)
あの頃、人気があったねえ。
23.Stevie Wonder: Secret life of Plants(1979, Motown)
これ聴いてみたけど1枚目はインスト。シンセサイザ多用で時代を感じてしまう。時代の摩耗を受けた感じで聴けなかった。がっくり。
24.Mark Goldenberg: L' Homme A Valise(1985, Kitty)
ジャズ・コーナーに置いてあった。イカしたジャケットだったので買った。日本製作のアルバムで、1980年頃にコマーシャル(サントリーとか)の音楽で人気があったらしい。
25.John Lennon, Yoko Ono: Double Fantasy(1980, Geffin)
26.Beatles: Abbey Road(1969, Apple)
上2枚は持っていてもいいかなあ、と思ったので。
ふう。すっかり20歳に戻った3時間。違うのは音盤の安さと資金力。30年前の欲求不満を解消したような感じだった。相変わらず,物欲と煩悩にまみれているなあと、重いLPレコードをぶら下げて帰った。