K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Pat Martino: Live at Yoshi's (2000) 緊縛するようなグルーヴ感

 そもそも空港まで乗用車で出かける習慣なんかなかった。神奈川在住時の羽田や成田、兵庫在住時の伊丹や関空は全てバスか電車。その方が早いし、合理的。金沢に移り住んでからも小松空港までバスで出かけていたのだけど、ある日、気がついた。乗用車の方が楽ではないのか、と。自宅からバス停まで遠いしね。一旦、乗用車にしたら、もうバスなんかに乗る気がしない。

 その小松までの道のり、1時間弱の楽しみは音楽。1時間、密室で聴くので、自宅と違う次元の集中がある。

 今回の往復のテーマはパット・マルティーノ。往路は、このLive at Yoshi's 。復路は昨年リリースされたUndeniable。Undeniableのサックス込み演奏が些か好みに合わない感じがあったので放置。改めて聴いてみようというテーマ。

 脳出血(だったか?)からの復帰以降では、この Live at Yoshi'sが一番よく聴く。どのアルバムもマルティーノのギターのスピード感、徐々に隅に追いやられていくような緊張感に魅了される。このアルバムは、それに加えてオルガンが与えるグルーヴ感がケタ違いに素晴らしい。マルティーノのギターとデフランチェスコのオルガンが織りなす緊縛するようなグルーヴ感に持っていかれるような感じ。ライヴなので聴き手がボクと同時に持っていかれることが良く分かる。おいおい、運転中だよねって感じで、ライヴを聴いているうちに小松に到着。

 基本的に1970年代にあってもおかしくない音楽なのだけど、今の時代の音楽であってもおかしくない、と思わせる。流行りとは無縁のジャズなのだけど、それ故にスピードが純化された魅力って大したものだなあ、と思うのだ。

 

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Pat Martino: Live at Yoshi's (2000, Blue Note)
   1. Oleo
   2. All Blues
   3. Mac Tough
   4. Welcome to a Prayer
   5. Hombre
   6. Recollection
   7. Blue in Green
   8. Catch
Pat Martino(g), Joey Defrancesco(org), Billy Hart(ds)