梅雨が明けたような午後だった。この2〜3ヶ月、休みは山にいたので、自室で過ごす休日は懐かしい。友人達と旧いプレスのレコード聴きながら、ビールを呑んでいた。Blue NoteやRiversideの美音に酔いが進んでいるような気がした。
大きな窓の向こうの雲が流れ、透き通って黒いようにも見える蒼空の彩りが次第に沈殿してきた。そのなかで、月のコントラストが強まり、陽から陰への遷移を感じていた。そんなときは不思議と時間という軸は弱まっていて、いつまでもそんな時間を過ごせそうな誤解の中にある。
いつしか夕景から暗闇へと引っ張られていた。もはや死語と化した逢う魔が時、というコトバの意味が少しだけ分かったような気がした。