K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Bill Evans: The 1960 Birdland Sessions (1960)



Bill Evans: The 1960 Birdland Sessions (1960)
   1. Autumn Leaves
   2. Our Delight
   3. Beautiful Love / Five (Closing Theme)4
   4. Autumn Leaves     6:48
   5. Come Rain Or Come Shine / Five (Closing Theme)
   6. Come Rain Or Come Shine
   7. Nardis
   8. Blue In Green
   9. Autumn Leaves
  10. All Of You
  11. Come Rain Or Come Shine
  12. Speak Low
Bill Evans(p), Scott LaFaro(b), Paul Motian(ds)
#1-3 : March 12, 1960, #4-5 : March 19, 1960, #6-9 : April 30, 1960, #10-12 : March 12, 1960
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[2014-04-24] 想像力で聴こえる美音

 ボクが最初に買ったこの手の録音は、ローチ・ブラウンのビーハイヴでのライヴだったけど、たまげるほど酷かった。雑音の彼方でチャラチャラ。それから、あまり手を出していなかったのだけど、近年のものはサウンドボードや「マスタテープ」からの流出だったりするので、それはそれで少々。最近はLPレコード含め「美音」が気になるので、海賊盤は論外に関心外、だった。

 このアルバムのもとになる貧相なジャケットの海賊盤は随分昔から見かけたけど、「美音命」のエヴァンスでは手が出なかった。これは、先日のディスクユニオン訪問時の買い物。まあ安価だったので、つい。

 打ちのめされるほど良かった。録音もバランスが良く、音質の悪さを十分カヴァーしている。改めて、Riversideの4枚と若干の残りテイクしかない彼ら3人の音、の凄さを再認識した。音作りの緻密さ、インタープレイの妙を隙間なく味わえる。予めよく練られた即興行為というものが良質の作曲行為である、ということを再認識させるものだ。

 それにしても、想像力で聴こえる美音、はとても美しい。ボクの頭の中にはエヴァンスの音のファイルが入っていて、一音一音が「本来の音」に丁寧に変換されていく。だから、この録音そのものの音質なんか、どうでもいいのだ。そんな驚くべき発見に満ちたアルバム、とはまさかにも思わなかった。

 

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