今更ながらのエヴァンス狂い。
LPレコード蒐集の過程で、Riversideの美音を知った。ならばビル・エヴァンスじゃないか、ってことで気になりはじめた。貧乏性なので気がついたらオリジナルのモノラル盤は1枚だけで、あとは意図した訳ではないのだけど、Riverside倒産後のOrpheum盤(ステレオ)ばかり集まった。良い録音のものもあれば、そうでないものもある。再発なのだ。それでもCDと比較し、マスターテープの劣化による(と思われる)中音域が細くなったような感じは免れている。
オリジナル盤:Everybody digs Bill Evans
Orpheum盤:Sunday at the Village Vanguard, Waltz for Debby, Portrait in Jazz, How My Heart Sings
これからモノラルのオリジナル盤をゆっくり入手しようと思っている。この頃、すっかり部屋に籠もっているのは、聴き始めると、微睡むまで離れられないから。酔わせる力は並の酒精と比べようもなく、ヘロヘロにされてしまうのだ。そんなことを想いながら、ぼんやりと過ごす日々は悪くない。
このHow My Heart Singsは、かのラファロの夭逝後のアルバム。だから、あまり注目もされない。だけど、むしろエヴァンスのピアノに深く耽溺できるような部分がある。甘さ、といっても砂糖のような甘さではない。むしろ度数の高い蒸留酒を呑んでいるときに、ふっと感じるような甘さ。ヒトを寄せ付けないのだけど、時折、強い芳香とともに感じる甘さ、にはココロを溶かす力がある、と思う。耽溺の日々、の自己演出にお勧めできる。
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Bill Evans: How My Heart Sings (1962, Riverside)
A1: How My Heart Sings 4:56
A2: I Should Care 4:53
A3: In Your Own Sweet Way 5:57
A4: Walking Up 4:55
B1: Summertime 5:58
B2: 34 Skidoo 6:19
B3: Ev'rything I Love 4:13
B4: Show-Type Tune 4:23
Bill Evans(p), Chuck Israels(b), Paul Motian(ds)