K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

犀川・上菊橋:梅雨から初夏の夕暮れ


 米国から帰って来て、滞った仕事もあり、また渓流への思いもあり、なにかしら気忙しい日々を過ごしていた。

 ゆったりと過ごしたかったので、自転車で通勤することにした。犀川に降りて寺町台地を登って仕事に行き、寺町台地から犀川に降りて笠舞段丘を登って帰る。その繰り返し。

 犀川は上菊橋をわたる。このあたりは人気も少なく、川・橋が曖昧な場所であること、をはっきりと感じる事ができる。どちらの場所でもない、帰属がない場所。アジールのような場所。不思議な開放感がある。

 梅雨の時期、前線から遠い金沢は案外小雨のように思えている。だから存外に快適に過ごすことができる。天気予報をみておけば、自転車でも降られることはない。 

 犀川は上菊橋を渡る。幹線道路からはずれた静かな橋。上流側には犀奥の山並み、下流側には金沢中心の街並み。夕暮れ時は周りから浮かび上がったような開放感があり、高い所から景色を見下ろしているような錯覚を覚える。これから初夏にかけての夕暮れ、日々刻々変わる翳りのある光彩を見ることができる。