K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Nana Vasconcelos: Novelli (1974)とAfricadeus (1973) ナナの音

フランスSaravahのアルバム。このアルバムとAfricadeusがカップリングして、CDになっているようで、apple musicにアップされている。

はじめてAfricadeusを聴くが、凄い。アフリカ色の強い、打楽器とvoiceのソロ。

加飾がない、生のナナを聴くような気分だ。

Nana: Africadeus(1973, Saravah)
1. Africadeus (Concerto Pra Mae Bio) 19:25
2. Abôios 5:45
3. Seleçao De Folclore (Cirandas, Samba De Rodas, Nau Catarineta) 12:15
BJuvenal De Holanda Vasconcelos(erimbau, Voice, Percussion)

 

[2011-05-10記事] 春のおわりに冷ややかな密林の雨を

いいジャケットでしょ。ボクはナナが好きで、何枚かアルバムを持っているのだけど、結局、これが一番好きかな。暖色の柔らかなジャケットなのだけど、テンションが低く、冷ややかな密林の雨のなかで悄然としているような感覚。まさに終わらんとしている春の嵐の中で、ぼんやりと聴くには丁度いい。

ナナ・バスコンセロスの音世界はいつもそうだ。大地に寄り添うような土着性を孕む身体を持ちながら、気持ちはずいぶん空高く成層圏を抜けていくような抽象性を追いかけている。だから、いつだって彼の音から溢れる孤絶感に打ちひしがれる。この場所に立つボクと、これを聴くボクがバラバラになるような、見失いかけた主体を求めるような。

風が吹く中、墓場の横を通ってみたら今まさに菊桜が散っていくところだった。

春は去るのだけど、夏はくるのだろうか。

 

Nana Vasconcelos Nelson Angelo Novelli(1974, Saravah)
    1. No Sul Do Polo Norte
    2. No Norte Do Polo Sul
    3. Aranda
    4. Toshiro
    5. Baiao Do Acordar
    5. Garimpo
    7. Tiro Crusdao
    8. Pinote
Nana Vasconcelos(perc), Nelson Angelo(g),  Novelli(b)