K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

果たしてレコードは音が良いのか(再燃)− 1950年代のレコード編

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常にこれが頭の中を駆け巡る。まあ、それが楽しいのだけど。

https://dailymusiclog.hatenablog.com/entry/2019/09/04/173113

今度は昨日の嶋護さんの本で、音が気になりだした。実は難聴が進んでいるので、もう気にしないでおこう、と思っていたのだ。改めて、レコードとディジタル音源の音質の違いが気にかかった。

まず、スピーカーと着座位置の間に置いていたテーブルを解体。目の前をすっきりさせた。呑み喰いのために置いていたのだけど。それから着座を椅子から座卓に変更。これだけで、音が激変。これは7年くらい前に戻しただけなのだけど、低音の張り、音の煌めきが随分変わった。

音源としては、エロール・ガーナーのConcert by the sea。コロンビア盤で音質はまずまず。

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(1)1960年前後のプレス(6 eye)。モノラル盤。

(2)昔買ったCDからリッピングした16bit, 44.1kHz音源。

(3)ストリーミング(Amazon HD)の24bit, 192kHz音源。

再生は、(1)に対しては、カートリッジはDENON DL102。これにコロンビア特性のフォノイコライザをかまして、McIntoshのC22、MC30。スピーカはJBL 240TI。

https://dailymusiclog.hatenablog.com/entry/2010/06/13/181309

https://dailymusiclog.hatenablog.com/entry/2012/05/31/221431

(2)、(3)に対しては、MACmini(2.6GHZ core i5, メモリ16GB, フラッシュストレージ)からMcIntoshのC2500(DAC内蔵)、MC30。スピーカはJBL 240TI。PAから後は上と同じ。CD音源はAudirvanaでアップサンプリングしている。24bit、44.1*4kHz。

https://dailymusiclog.hatenablog.com/entry/2014/01/27/233512

 

レコードの音圧は高く、相変わらず楽しい。パリの4月の客席の落とし物の音にニヤっとする。相変わらずの音。さてCDにすると、音圧はグッと下がり、そうだよねという音。綺麗だけど迫力がない。距離感が違う感じ。嶋本に従い(?)、音量を上げてみる。するとピアノの音の華麗な感じが伝わる。ここを基準にレコードを聴くと、高域でのフィルタリングが明瞭に分かる。ピアノの音がクスんだような印象。BNのアルバムよりは、ピアノの音が綺麗だとは思っていたが、やはりレンジを絞っている様子が気になった。ジャズの音圧感はレコード、楽器の自然な美音はCD、ということか。

さてAmazon HDのストリーミングだけど、これが良かった。最近のcomplete盤なので、リマスタリングされるなかで音圧を高めるような潤色はやっているのだろう。ピアノの音はやや派手になっているのだけど、コンサート会場の様子がスッと伝わる美音に。音の媒体のダイナミックレンジ拡大の良さが素直な形で伝わる。

これが第一回目の聴き比べ。1950年代のモノラル録音。1960年代のステレオ盤、1970年代のECM盤あたりまで、聴いてみたいと思う。

明瞭な高域カットを体感できたことに驚いた。音という実態を前にしても、客観評価はできないものだ、と思った。