K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Paul Bley, Jimmy Giuffre, Bill Connors: Quiet Song (1974) あまり語られることのないアルバムのように思うが

Paul Bley, Jimmy Giuffre, Bill Connors: Quiet Song (1974, Improvising Artists Inc. )
IAI 373839
Format:
A1. Solo(immy Giuffre) 0:56
A2. Duet(Bill Connors) 4:35
A3. Play Blue(Paul Bley) 3:23
A4. Clarinet(immy Giuffre) 0:52
A5. Yeah, Guitar(Paul Bley) 3:48
A6 Carol(Paul Bley) 1:43
A7 Trio(Paul Bley) 1:44
B1 Goodbye(Gordon Jenkins) 3:34
B2 Laurent(Paul Bley) 2:04
B3 Quiet Song(Paul Bley) 9:47
Paul Bley (p), Jimmy Giuffre (cl, fl, ts), Bill Connors(g)
Engineer [Mixing] : David Baker
Engineer [Recording] : Tony May
Producer : Paul Bley, Carol Goss
Recorded November 14, 1974 at Generation Sound Studio, NYC

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ECMの新譜(といっても数ヶ月)が届いたのだが、聴いていて腑抜けた感じのSilenceだったので、腹立たしかった。音が軽く、「間」のつもりの間隙がスカスカ。音に力が無いのだ。

気を取り直し、未聴のブレイのレコードを聴いてみると、そんな今のECMよりは「好きだった」ECMの音そのもので嬉しくなった。Generation Sound StudioでのDavid Bakerやら、Tony Mayのcreditをみると、米ジャズが主流だった1970年代前半のECMの一つの形、だったよね。

しかもECMの源流的な音がジェフリー・トリオで、本作のコナーズをスワローに変えれば、なのだから。当時はコナーズもECMで吹き込んでいたのだから、ブラインドだとECMで信じてしまう。本作はそんな裏ECM的なものであり、いや筋からするとECMが裏IAIなのかもしれない。

そんなことはともかく、このアルバムはジェフリーが主導している印象が強い。フルートを吹くと、山本邦山のような味わいでゆったりと深く鳴らす。アルバムの題名通りQuiet Songが続く。コナーズもそれに合わせるような静謐なギター。ブレイは、彼のアルバムのなかでも音数が少ない、やはり沈黙したような音を聴かせるが、艶っぽい。アコウスティックも電気も、ことに電気ピアノの闇の淵に落ちたようなディストーションが美味しすぎる。

あまり語られることのないアルバムのように思うが、実に素晴らしい。秋向きのレコード。

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Quiet Song

Quiet Song