小川典子: Japonisme (1999, BIS)
1.-2. Deux Images Du Vieux Japon (Henri Gil-Marchex ) 12:25
1.古き日本の2つの映像-吉原帰り
2.古き日本の2つの映像-出雲の秋月
3. Complainte de Nikko (Alexandre Tansman ) 2:20
3.日光の哀しみ
4.-7. In Japan (Theodor Szántó ) 6:52
4.組曲「日本にて」-1.忠臣蔵
5.組曲「日本にて」-2.地搗唄
6.組曲「日本にて」-3.権兵衛が種播く
7.組曲「日本にて」-4.祭囃子
8. Sakura Sakura (Theodor Szántó ) 4:18
8.歌劇「台風」~日本の歌(さくらさくら)
9.-13. Japan, Op. 89 (Walter Niemann ) 23:02
9.組曲「日本」op.89-1.お茶屋
10.組曲「日本」op.89-2.海の黄昏
11.組曲「日本」op.89-3.花見
12.組曲「日本」op.89-4.霊峰富士
13.組曲「日本」op.89-5.芸者の踊り
14. Overture To The Opera 'La Princesse Jaune' (Camille Saint-Saëns ) 6:57
14.歌劇「黄色の王女」序曲op.30
15. Soirée Japonaise, Op. 67 No. 4 (Cyril Scott ) 3:09
15.日本の宵op.67-4
16. Tokio (Edouard Silas ) 3:12
16.東京行進曲
17. Étude Japonaise, Op. 27 No. 2 (Ede Poldini ) 2:07
17.日本練習曲op.27-2
18. Arrival Platform Humlet (Percy Grainger ) 2:30
18.プラットホームの鼻歌
19. From A Japanese Screen (Albert W. Ketelbey ) 5:02
19.日本の屏風から
小川典子(p)
Recorded At – Nybrokajen 11 – Stockholm, Sweden, July 1999
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クラシックが聴きたくなったら(主にピアノ曲)参考にしているサイトでみつけたアルバム。児玉桃を聴く前はよく聴いていた小川典子:
どうも武満徹のNovember stepsのような和楽器を入れたような現代音楽や、オリエンタリズムに彩られた欧米の日本モノとかは肌に合わない。自国と交差するオリエンタリズムにはなんか嫌な感じ、がするものだ。
それでも、いつだったかShura Cherkasskyが弾く奥村一編曲の日本民謡「音戸の舟歌」の音艶に惹かれて、(勿論)良い演奏、良い編曲で聴くのは悪くないな、とも思ったのだけど。
Shura Cherkassky: Last of the Great Piano Romantics 1 奥村の「おてもやん」とは - K’s Jazz Days
このアルバムは20世紀最後の録音なのだけど、もう失われてしまった19世紀後半から20世紀前半までの日本の儚い情感、当時の小説や評伝を読むと強く感じるノスタルジーにを強く喚起する演奏。小川典子の粒だったピアノの音色で、消えかかっている過去の日本が儚く浮かび上がる感じで、聴き入ってしまう。
なんとなく書架で眠っている本、イザベル・バードやピエール・ロティの旅行記を読みたくなるような、そんな感覚。消えていった日本、の残滓を感じる時間を味わう、というか。