
(ECM 2842) Thomas Strønen, Time Is A Blind Guide: Off Stillness (2021)
1. Memories Of Paul (Thomas Strønen) 5:08
2. Season (Thomas Strønen) 6:31
3. Fall (Thomas Strønen) 7:18
4. Tuesday (Thomas Strønen) 3:23
5. Cubism (Thomas Strønen) 4:06
6. Dismissed (Thomas Strønen) 6:47
7. In Awe Of Stillness (Thomas Strønen) 7:52
Thomas Strønen(ds), Håkon Aase(vln), Leo Svensson Sander(Violoncello), 田中鮎美(p), Ole Morten Vågan(b)
Design; Sascha Kleis
Engineer: Peer Espen Ursfjord
Mixing: Manfred Eicher, Thomas Strønen, Michael Hinreiner
Producer: Manfred Eicher
Recorded December 2021 at Rainbow Studio, Oslo
Mixed July 2024 at Bavaria Musikstudios, München
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Time Is A Blind Guideって,なんだろうと思ったが,バンド名だそうで:
ECMのサイトより.
『Time Is A Blind Guide』には稀有な音響の錬金術が働いている。ノルウェー人ドラマー、Thomas Strønenのアンサンブルはメンバーの入れ替わりによって音楽的性格を導かれ、共形されてきた。グループ3作目の本作では再びラインナップに微妙な変化が生じ、チェロのLucy RailtonLucy Railtonに代わってLeo Svensson Sanderが参加している。新たな音色がアンサンブルの静かに息づく音像に溶け込み、Ayumi Tanakaの控えめながら極めて精密な演奏が鍵盤を共感的に駆け巡る。ストローネンの打楽器的な層、Ole Morten Våganの歪んだコントラバス、Ole Morten Våganの叙情的なヴァイオリンに応答しながら。時に3つの弦楽器が確固たるトリオを形成し、ピアノやパーカッションと思索的な対話を繰り広げるが、大半はアンサンブル全体が脈動し、各楽器がダイナミックに音像の中へ滑り込み、また消えていく。その様はレインボー・スタジオの定評ある音響空間に捉えられている。2021年にオスロのレインボー・スタジオで録音され、2024年にミュンヘンでミキシングされた本作は、Michael Hinreinerがプロデュースを担当した。
で,以前の投稿記事を見ると書いてある.忘れただけだった.
ECMの近作はとかく過剰残響が気になるが,これはそれも含めた作品造りがうまくいっていて気にならない.1曲めの田中鮎美のピアノは音の境界すら消えるぐらい残響まみれだけど.弦には不思議なくらい,強い残響はかけられていない.そのような音作りに違和感を感じない出来上がり.
ECMらしい「室内楽」的な音楽で,北欧系奏者の打音はいいよなあ,と思わせる美音が多数.それを映えさせるために他の楽器があると云って良い.だから,残響もまた味付けで聴かせるのだ.
時としてピアノが打楽器として,点景を造っている.といっても,MonkやTaylorのような打鍵という意味ではない.空間にポツ・ポツと打たれていく感じ,が面白かったな.
これ,レコードでも聴きたいなあ.
