K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

(ECM1010) Paul Bley: Ballads (1967) pre-ECM期のECM

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[ECM1010] Paul Bley: Ballads (1967)
A: Ending
B1: Circles
B2: So Hard It Hurts
Paul Bley(p), Gary Peacock (b on A), Mark Levinson (b on B), Barry Altschul(ds)
Annette Peacock (Composer)
Design: B & B Wojirsch
Producer: ECM
Released: 1971
Recorded in New York, July 28, 1967 (side A), and March 31, 1967 (side B)

https://www.ecmrecords.com/catalogue/143038750592/ballads-paul-bley

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 [2015-02-04] pre-ECM期のECM

1963年および1968年に吹きこまれたブレイによるECM1003のアルバムの続編、といえるもの。 要は、pre-ECM期のECM。はっきりとは云えないのだけど、あとは後年のジミー・ジェフリーのアルバム(もとはVerve、これにもブレイ、スワローが入っている)くらいじゃないかな、pre-ECM期のECMは。

つまり、それだけECMというレーベルの在り方に対し、ブレイの存在は大きいのだと思う。1969年から1年強の間、伝統的な黒人ジャズの少し先からimprovised musicのベイリー、フリー・ジャズへ孵化寸前のコリアまで多様なジャズの音をサンプリングしているのだけど、先端への強い意志は感じるものの、統一的な色は感じない。1972年発売のこのアルバムでは、再び、新たな座標軸を刻むように、「ECMらしい音に戻ってきている」。

勿論、録音にアイヒャーは関与していないし(だからproduced by ECMとなっている)、やはり、録音はトン・スタジオでの録音盤のものほど良くはない。しかし、その冷たな音の肌触り、がECMそのもの。また同時期のライヴ盤と比べても冗長な感じが一切なく、引き締まっている。曲は全てアーネット・ピーコックの作曲(録音当時、そして発売当時、ブレイとピーコックのどっちがパートナーだったのだろうか?)。カーラの曲のようなクッキリとしたイメエジはないが、決して悪くない。そう、ジャズの室内楽そのものだ。

ピーコックのベース(A面)は太く響き、やはりい、いいなあと思う。B面のレヴィンソンは、その後、音響機器メーカを創業したマーク・レヴィンソン。

ECM1000番台のLPレコードを全て集めるまで、あと5枚。少し燃えているが、早々になんとかなるのは希少性がないことも、よくわかった。セカンド、サードプレスのリバティ盤ブルーノートよりも簡単に、安価に手に入る。こんな美しい録音のレコード達が安価に手に入る。ありがたいことだ。

 

関連記事:

ボクが持っているレコードはLC番号付き(ジャケットのみ)。だから後年のプレス。

まあ気になるような録音ではない。