K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

(ECM1029) Jan Garbarek: Triptykon

Triptykon

[ECM 1029] Jan Garbarek: Triptykon (1972)
A1. Rim (Andersen, Vesala, Garbarek) 10:33
A2. Selje (Andersen, Vesala, Garbarek) 2:16
A3. J.E.V. (Andersen, Vesala, Garbarek) 7:28
B1. Sang (Andersen, Vesala, Garbarek) 2:45
B2. Triptykon (Andersen, Vesala, Garbarek) 12:46
B3. Etu Hei! (Vesala, Garbarek) 2:20
B4. Bruremarsj (Old Norwegian Folk Song) 4:13
Jan Garbarek(ss, ts, bs, fl), Arild Andersen(b), Edward Vesala(ds)
Design [Cover]: B & B Wojirsch
Engineer: Jan Erik Kongshaug
Producer: Manfred Eicher
Released:1973
Recorded on November 8, 1972 at Arne Bendiksen Studio, Oslo

https://www.ecmrecords.com/catalogue/143038750633/triptykon-jan-garbarek-arild-andersen-edward-vesala
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[2019-12-29]

室内楽的フリージャズだけど、そんなに面倒ではない。聴きやすい。フリージャズの形を室内楽的に処理をした感じかな。こぢんまりした感じだけど、それが良い。


[2015-05-05] この時期からあったんだ

うまく云えないのだけど、ホランドの「鳥たちの会議」と同じ線のうえにあるアルバムなのだけど、A.R.C==>Paris Concertからつながるホランドの鳥たち、にはアメリカのビート感が横溢しているように思える。何でこんなことを書いたかというと、咄嗟にブラックストンとよく似たガルバレクは面白いし、いいなあ、と思ったから。ブラックストンのタウンホール・コンサートと案配(サックスの音の在り方、のようなもの)が近くて、好み。観念的になり過ぎず、ただの破壊になり過ぎず、表現としてのある種の均衡のなかにある心地よさ、のような感じ。

だからホランド+アルトシュルが作りだす細分化されたパルス状のビート(まさに現代ジャズ)と比べたときの、アンデルセンとヴェサラのやや浮遊感のある音空間(ビートは感じない)が対照的で、このアルバムに現代音楽的な味を加えているように思った。

1972年に録音されたECMのアルバムは1979年に聴きはじめたボクの印象と強い連続性のなかにあって、強くIdentifyされた世界観のなかにある。その頃、デジョネットのspecial editionの演奏や音場を聴いて、ECMらしからぬ、それでいてECMでしかあり得ない、ジャズの中心の音に驚いた。このアルバムの音も、実はspecial editionとかなり似ている。あれから30年以上経って、実はspecial editionで加わった音系列ではなくて、既に存在していたものだった、と気がついたのは間抜けな感じがして、独りでニヤっとしてしまった。

 実はガルバレクのチャルメラのような音色があまり好きでなかったのだけど、このアルバムはとてもいい。(多分)それ以前のコルトレーン的な音世界と、その後の調和的な音世界の接点にあって、彼の力強いジャズを聴かせる貴重なアルバムに思えた。

Triptykon

Triptykon

  • アーティスト:Jan Garbarek
  • 出版社/メーカー: Ecm Import
  • 発売日: 2001/01/30
  • メディア: CD
 

関連記事:

https://jazz.txt-nifty.com/kudojazz/2005/07/triptyconjan-ga.html


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ラベルのMade in Germanyがあるので、オリジナルではない。