K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Paul Motian: Bill Evans (1990) 今頃気がつくのだから仕方が無いなあ

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Paul Motian: Bill Evans (1990, Winter & Winter)
A1. Show-Type Tune 6:12
A2. Turn Out The Stars 7:09
A3. Walkin' Up 5:35
A4. Very Early 5:50
B1. Time Remembered 7:25
B2. 34 Skidoo 8:11
B3. Re: Person I Knew 7:10
B4. Children's Play Song 4:17
Paul Motian(ds), Joe Lovano(ts), Bill Frisell(g), Marc Johnson (b)
Executive Producer: Hiroshi Itsuno
Recorded by, Mixed by Joe Ferla
Mastered by Thorsten Wyk
Producer: Stefan Winter
Recorded at Sorcerer Sound, N.Y.C., May 1990

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久しぶりにこのレコードを聴いているが、やはり良い。モチアンのバンドの音、曲の全てに満足する。牙が落ちたような緩いフリーゼル、やはり緩る緩るしたロヴァーノなのだけど、このバンド全体の音として実に良く調和している。そしてジャズらしいビートの刻みが、ジャズを聴く悦びを連れてくる。

2000年の頃にヴィレッジ・ヴァンガードで聴いたElectric Bebop Band にピンとこなかった、のは今にしたら残念だな、と思った。訥々と前に進んでいったモチアンに、今頃気がつくのだから仕方が無いなあ。

[2018-02-21] はじめてロヴァーノがいいなあ、と

2015年のWinter&Winterによる再発盤。モチアンのエヴァンス集。幾つかの迷いがあったが、レコードで入手。迷いとは、

・この時期の録音をレコードで買う意味があるのか、

・うねうねってしたロヴァーノや、まったりとしてしまったフリーゼル大丈夫か、

のようなこと。

結論は、全て大丈夫。

録音は実に良い。柔らかな音が全面に広がる。その柔らかさが曲調と実に良く合う。

はじめてロヴァーノがいいなあ、と思った。過去、マンハッタンでも聴いたが、全くヒキがなかったのだけど、モチアン・バンドの「太い響きを柔らかく聴かせる」、そんな中では適任。フリーゼルもモチアンの世界に刈り取られた感じで、これもまた心地よい。浮遊感も強くなく、適度。

モチアン色が全開なのだけど、本人のドラム、打楽器は控え目で、曲全体でモチアン・バンドの音を表現している。だから長い間、彼の良さは分からなかった、のだけど、全くもって惜しいなあ、と今になって思う。本当にこのレコード、良かった。 

Bill Evans

Bill Evans