一昨日の夕暮れの頃、生暖かい風が吹いていた。3月は心身ともに不調で、とにかく十数年来の課題を片付けるだけで精一杯だった。だから、周りのことはちっとも見えないし、ただ仕事ばかりしていたように思う。山にも行かないし、スキーもしない3月なんて初めてじゃないかな。休みも仕事をしていた。そんな感覚がふっと抜けたような気がした。少し体が軽くなったような感覚。
その夜、今年初めて桜を見た。バーの切り花なのだけど、そんな時期なのかと、改めて3月がお仕舞いになる様子に驚いてしまった。ふっと犀星の碑の後ろの桜や、六斗の廣見の桜、早咲きの桜が気になってきた。それでも、今週も仕事。
翌日、用事があって、自宅から犀川の上流へ向かってクルマを走らせた。日中、摂氏23度まで気温が上昇し、まるで太平洋岸の花見の候と同じような好天。気分が少し、和らいだ。そして犀川河畔の隠れ里のような集落で、桜を見た。
春が突然、やってきたようだ。