K’s Jazz Days

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ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Richie Beirach & George Coleman: Convergence(1990) 何となく陽が当たらない感じだけど


 George Colemanって、何となく陽が当たらない感じだけど、どうしてどうして、結構いいと思っている。マイルス時代だって、後任のショーター(正確にはリヴァースなのは、ともかく)が難しいフレーズ連発なのだけど、凄さがよく分からない。楽しくない、感覚。コールマンの良さ、って少しトロイところにあって、マイルスの激しい音の躍動のあと、箸休めのような弛緩がやってくる。だからこそ、マイルスの音のスピード感が際立つと思う。褒めていないように見えるが、聴き手が気持ちよいのだからいいじゃないか。

 美しくピアノを響かせるバイラークとのデュオを聴くと、その「トロさ」のようなものが「深みのある音」であることに気がつく。しっかり楽器を響かせることで、ピアノの残響と美しい交差を現出させる。あまり注目はされないのだけど、気がつくとアルバムを何枚か持っていて、どれも彼のたおやかな味わいを聴かせてくれて、とてもいい。普段は意識にあがらない彼なのだけど、もっと聴いてもいいよな、って改めて思った。

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Richie Beirach & George Coleman: Convergence(1990, Triloka)
1. The Lamp Is Low
2. I Wish I Knew
3. Flamenco Sketches
4. Rectilinear
5. For B.C.
6. Riddles
7. Zal
8. What Is This Thing Called Love?
9. Infant Eyes
Richie Beirach(p), George Coleman(ts,ss)