K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Kurt Rosenwinkel: Star Of Jupiter (2012) 音のスピード感


 山とか渓流に気持を持っていかれたので、LPレコードへの「過度な気持の傾斜」を見事に止めることができた。お陰で、カードの請求代金が久しぶりに正常化した。

 今は、ワニ氏やK君に刺激された「いまどきのジャズ」(どうもContemporary Jazzという云い方がピンとこない)をちょぼちょぼ聴いている。自宅にゆっくり居ることがあまりないので、仕事場で流している。そのなかでの気に入りの一人がローゼンウィケル。

 聴いた感じでは、大好きなマルティーノに近い。要はスピード感溢れるドライヴを楽しむギター。ただ、マルティーノが垂直に切り取られた音が、極めて正確に連なっていく凄み、なのだけど、ローゼンウィケルはエフェクタの音色もあって、水平的にゆらぎながら内的な緊張を煽るような凄み。だから、ゆっくりとした曲であっても、聴き手に喚起されるスピード感のようなものがあって、面白い。音のスピード感、のようなものの在り方の違い、を楽しんでいるのだ。

 このアルバムは、以前のライヴ盤で入っていたサックスもなく、とにかくギターを楽しむことに集中できる好盤じゃないかな。どの曲も似たような曲にきこえても、それでも面白いのだから飽きないでずっと聴いている。

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Kurt Rosenwinkel: Star Of Jupiter (2012, Word of Mouth Music)
(Disc 1)
   1. Gamma Band     
   2. Welcome Home     
   3. Something, Sometime     
   4. Mr. Hope     
   5. Heavenly Bodies     
   6. Homage A'Mitch     
(Disc 2)
   1. Spirit Kiss     
   2. Kurt 1     
   3. Under It All     
   4. A Shifting Design     
   5. Deja Vu     
   6. Star Of Jupiter     
Kurt Rosenwinkel(g),  Aaron Parks(p), Eric Revis(b), Justin Faulkner(ds)