書いた記事をみていると、古レコードの世界にどっぷり、のように見える。実は、最近のジャズも聴いている。
しかし、なかなか書いてみよう、という気分にならない。なぜだろうか。
中山康樹の近刊本「現代ジャズ解体新書」のなかで、ネットの発達のなかで時間軸を喪失した、ような記述がある。だけど、ネットに限らず、レコードとかCDとか、音源のストックの昂進は時間軸を必然的に損なう。1940年代の音も2010年代の音もフラットに聴いてしまう。だから、いわゆる現代ジャズの世界が小粒に聴こえてしまうことが否めない、ように思う。
なんとなく薄い、ように感じてしまい、なんかいいなあ、と思うことが少なくなってきた。ある時期まで、ECMにどっぷりだったのだけど、最近のECMの音世界が「悪い意味で」均質であり、どれも同じに聴こえてしまうしね。
さて、このJonathan Kreisbergってギター奏者ははじめて聴いたのだけど、なかなか良い。パット・マルティーノと同じ聴き方、になるのだけど、正確で高速のフレーズが流れていく様が気持ち良い。メセニーのユニティ・バンドの場合は、何となくサックスがしっくりこないのだけど、これはOK。ボクは最近のメセニーよりいいなあ。楽曲も一本調子じゃなくて、うまくイロイロ聴かせているしね。
最近はピアノよりもギター奏者のほうが聴き応えあるように思えるのは何故だろう。昔はあまりギターを聴かなかったのにね。
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Jonathan Kreisberg: Shadowless (2010, New For Now Music)
1. Twenty One
2. Stir The Stars
3. Shadowless
4. Zembekiko
5. Long, Like A Mercury Day
6. Common Climb
7. Defying Gravity
8. Nice Work If You Can Get It
Jonathan Kreisberg (g), Will Vinson (sax), Henry Hey (p), Mark Ferber (ds)