カプスーチンを聴くと、その豪腕というべき強烈な打鍵と速度感、を思い出す。安らぎ、よりも昂奮。それでいて美音。すさまじい世界。
今回、ソヴィエトのメロディア盤を注文するときに、ヴェデルニコフのつぎに探したのはカプスーチン。さて、どう聴こえるやら。
レコードで聴くことの意味は、音の柔らかさ、音と聴き手の間の距離の近さ、さらには鮮度のようなものも違う。
さて届いたカプスーチンのレコードを聴いてみた。期待通りの良さ、で、CDで聴くとキツイ音が続くカプスーチンだけど、柔らかい。粒だった音が良くきこえ、気持ち良い。打鍵は強いが、むしろ粒だった音が濁らずに清澄な感じ。とても良い。
それにしてもキリル文字の情報はつらい。google様々で、翻訳している。
Николай Капустин: Nikolai Kapustin (1986, Мелодия)
Восемь Концертных Этюдов Для Фортепиано (1984)
(Eight Concert Etudes )
A1. Прелюдия 2:02
A2. Мечта 2:54
A3. Токкатина 2:10
A4. Воспоминание 3:55
A5. Шутка 2:17
A6. Пастораль 2:25
A7. Интермеццо 3:33
A8. Финал 2:34
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Соната-Фантазия Для Фортепиано (1983)
Sonata Fantasy[
B1. Vivace 3:31
B2. Largo 4:39
B3. Scherzo 3:00
B4. Allegro Molto 6:49
Николай Капустин(p)
Engineer: В. Иванов
Всесоюзная студия Грамзаписи.
Запись 1985 года.
Ленинградский Завод Грампластинок
1986 Заказ 234 Тираж 3000
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2011-8-14記事:Nikolai Kapustin : Kapustin plays Kapsutin/Eight Concert Etudes (1985) 鉄のカーテンの向こうに
Nikolai Kapustin : Kapustin plays Kapsutin/Eight Concert Etudes (1985)
1. Eight Concert Etudes Op.40 : Prelude
2. Eight Concert Etudes Op.40 : Reverie
3. Eight Concert Etudes Op.40 : Toccatina
4. Eight Concert Etudes Op.40 : Remembrance
5. Eight Concert Etudes Op.40 : Raillery
6. Eight Concert Etudes Op.40 : Pastoral
7. Eight Concert Etudes Op.40 : Intermezzo
8. Eight Concert Etudes Op.40 : Finale
9. Sonata Fantasy[Piano Sonata No.1], Op.39 : 1 Vivace
10. Sonata Fantasy[Piano Sonata No.1], Op.39 : 2 Largo
11. Sonata Fantasy[Piano Sonata No.1], Op.39 : 3 Scherzo
12. Sonata Fantasy[Piano Sonata No.1], Op.39 : 4 Allegro molto
13. Suite in Old Style Op.28 13:19 Album Only
14. Variations Op.41
今,一番聴いているのはBrad Meldauの東京でのライヴ。2枚組。仕事場で一日何回も聴いている。聴いているうちに意識が溶けこむので、それを言葉にすることをタメラッテイル。さて、どう感じているのかも定かでないから。同じ理由でHerschの3枚組ソロもブログには書いていない。そんな音と出会っているこの1年って、本当にすごいことだなあと、残りの人生なんてどうでも良くなるほど嬉しくなっている。
この1年はクラシックも随分聴いて、本当に驚くような音、感情の基層にまで下りてゆくような心象の旅のような世界に連れていかれた。なんとなく不安定感がある感情は、そんな少し危ないトリップの故かもしれない。
ニコライ・カプスーチン(1937-)はロシアの作曲家。素晴らしいピアニストでもあり、このアルバムは自作自演集。CD屋やamazonではクラシック音楽/現代音楽に分類されている。聴いてみると、クラシックとも現代曲とのジャズとも呼べそうな不思議だけど楽しい音世界。美しく、華麗で、跳ねて、翔ぶ音の流れ。気持ちをゆったりと開放してくれる。
カプスーチンの曲は最初、アムランのアルバムで聴いた。これも流麗な素晴らしい演奏なのだけど、カプスーチンの演奏は少しゴツゴツした流れを微妙に止めたり流したりするような、連続的ではないゆらぎがあって面白い。スムーズに進行し過ぎないのだ。力ずくで弾いているような気持ちよさ。楽譜に書かれた音楽で、このような音の世界があるなんて知らなかった。
それにしても、録音された頃はゴルバチョフのペレストロイカがはじまった頃。とは云え冷戦終結前のソヴィエト連邦。鉄のカーテンの向こう側でこんな音楽が発酵していたのには驚いた。