K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

Anatoly Vedernikov: Galynin, Shostakovich (1971) 少し憑かれているような、そして北陸の空に

 少し憑かれているような、感じで旧いソ連のレコードを聴いている。とにかく、音が良い。困ったことに、ボクのなかでECMの音場が少し褪せている。それくらい、素晴らしく、またmagicalな音のように感じる。CDで聴いたときは、少し曇ったような、音自体が陰翳を持ったような印象があったのだけど、レコードを聴くと清澄な音であり、また濁りがなく、それでいて響きの美しさで惹き込むような凄みがある。

 今朝はGalyninとShostakovichのソナタ集(キリル文字google翻訳で訳している)を鳴らしていたのだけど、雲と淡い光が織りなす北陸の空にとても良く合う感じ。いつまでも聴いていたい。20世紀の音楽が奏でる音は現実と非現実の不確かな境界線を行き交い、その遷移の瞬間に気持ちを持って行く、強い力に溢れている。暫く、音を聴くことだけに意識が向かう。慌てて、音を止めてから出勤した。

 確かに、ジャズよりも遙かに人をダメにする音楽が、旧共産圏で創られていたことが面白いなあ、と思う。

 

 

 

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Anatoly Vedernikov: Galynin, Shostakovich (1971,Melodia)
sonata Triad by German Galynin
A1. Соната Си Минор
A2. Соната Ми Минор
A3. Соната Си Мажор
Sonata �� 2 in B Minor, Op. 61 by Dmitri Shostakovich
A4. Allegretto
B1. Largo
B2. Moderato. Allegro Non Troppo
Anatoly Vedernikov(p)