K’s Jazz Days

K’s Jazz Days

ジャズを中心とした音楽と本の備忘録

HONMOKU JAZZ 1981-1995 YOKOHAMA本牧ジャズ祭の軌跡(中区刊行物)

 1983年春、就職で関西から関東へ出た。元来、人見知りが強く、友人は少ない。かつ、内向的な割には自意識が肥大。自分でも扱いに困る始末。

 そんな人間が、会社という閉鎖空間でやっていけるのか、そんな悩みのなかにあった頃。一方で、家庭の縛りのようなものから放たれた開放感、との奇妙なバランスにあった。

 そんな頃、近所(三渓園のヨコ)であった本牧ジャズ祭に行った。ジャズ・フェスティバル隆盛の頃。沖至、豊住芳三郎とアラン・シルバが出演していたから。そのときのアンケートに住所を書いたら、暫くして実行委員募集のハガキが来た(ように記憶している)。それから何年間か実行委員をやった。良かった、と思っている。自主団体での自主興行。面白かった。

 いつしか仕事に集中するようになって、実行委員もやめて、ジャズ祭にも行かなくなったのは、いつ頃だろうか。間違いなく、音楽を一所懸命聴かなく時期と軌を一にしている。すでに音を立てて欠落をはじめている20代の記憶。気になって、ネットで検索していて、驚くべき冊子をみつけた。

http://archive.city.yokohama.lg.jp/naka/archive/reference/document/honmokujazz.pdf1995年に500円で発売された(ようだ)けど、今はネットで閲覧可能。

 中区の小林さん、重鎮の石橋さん、実行委員の磯野君、伊藤さんなど懐かしい方々の名前も多数。

 そのなかの平岡正明の文章がとてもいい。あの頃のヨコハマ、そう横浜駅あたりでなくて、関内から野毛のあたりのイケナイ空気が消え失せようとしているダルい感じが、見事に書かれている。その空気が懐かしい。

 巻末の各年の出演者のリストを眺め、自分の記憶と照らし合わせている。さて何年まで聴きに行った、のだろうか。