先週届いた3枚のレコードは全て、日本のジャズだった。
元来、日本のジャズは好きで、30年前、随分とレコードを買った。亡父からは、そんなの聴いて面白いか、と云われたけど。要は、本場を聴け、的な感覚だった。1970年代のお仕舞い。だけど日本のジャズは面白かった。その違いは、うまく亡父に説明できなかった、のだけど。
確かに菊地雅章のMatrix(1969)
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や、日野・菊地クインテット(1968)
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を聴くと、そんな亡父の感覚はよくわかる。確かに、「出来のいいコピー感」があるのだ。
しかし、その後の数年でボクの耳にも明らかなように、「日本のジャズ」という独自性が強く主張されるような気がする。独ECMで吹き込まれる欧州の奏者達と同じタイミングで。
そのような動きの源流が、銀巴里に集まった奏者達だった、と知ったのは昔のSJ誌。内田医師が録音した、その記録が当時、発掘・発売されたけど、何となく録音が悪そうだし、内容も習作・実験作かなあという躊躇があって、手が出なかった。入手して聴いてみたが、高柳昌行、富樫雅彦、金井英人らの演奏は印象的。スタンダード曲なのだけど何かを掴もうとしている感触は強く感じる。面白い。まさに「日本のジャズ」の萌芽。日野皓正は愛嬌かなあ、だけど。
あとは菊地雅章のヘアピンサーカス(1972)。彼の初期のアルバムで、サントラ。全くサントラになっていなくて、独立したアルバムとして魅力的。ウェザー・リポートと並行に進む日本の新しいジャズ、の雰囲気が強く伝わる。レコードはレア盤じゃないかなあ。
そして富樫雅彦のバラード(1981)。この時期のキングレコードは録音、内容ともに素晴らしいアルバムが多い。チョイ聴きでも、録音の良さが際立った。楽しみ。