昨日届いたCD、早速、聴いている。ピーコックの曲作り、の素晴らしさが堪能できる一枚、じゃないかなあ。
Waveと銘打ったアルバムは3枚ある。 Gary Peacock, 佐藤允彦, 富樫雅彦の3人のトリオ。Waveは富樫雅彦主導、Wave IIはGary Peacock主導、Wave IIIは佐藤允彦,主導という趣向。WaveとWave IIIはチラっと聴いて後回し。印象が残っていない(後で聴いてみよう)。
富樫雅彦、佐藤允彦のアルバムを随分持っている。とても良く出来たアルバムばかり。だけど、ある種のパターンがあって、その中にはまり込むと、代わり映えしないような弊がある。だからアルバムの曲作りや、メンバー構成の工夫がないと、つまらなく感じることが多い。だから、富樫雅彦のキングレコード時代(1970年代後半から1980年代)は、そのあたりが細やかに配慮されていた、ように感じる。鈴木勲との演奏とか、ドン・チェリーとやったり、とか。
Waveを聴いたときには、あまり面白くない、と感じたのは、ある種「予定調和」のなかにあったから、だと思う。
このアルバムは曲ごとに印象が異なる、また細やかな曲作りもあって、最後まで楽しむことができる。音を遣いすぎるキライがある3人だけど、そのあたりが抑制的で、それが空間的な音を楽しませるようになっている。
なかでも2曲目Syncのミニマル的な曲の作りが、楽器の響きの余韻のようなものを聴かせるようになっていて、静寂のなかに灯った小さな明かり、のような暖かさにほっとしてしまった。
参考記事:
-------------------------------------------
Gary Peacock, 佐藤允彦, 富樫雅彦: Wave II (1987, Paddle Wheel)
1. Feisty Won 5:33
2. Sync 10:14
3. Boogie Woo 5:42
4. No Noh 4:11
5. Song For Pedro 8:15
6. Mach Bawp 6:51
7. Future This 8:19
Gary Peacock (b), Masahiko Satoh(p), Masahiko Togashi(perc)
Musical Director: Gary Peacock
Art Direction: Seiichi Suzuki
Producer: Toshinari Koinuma
Released: 21 Jan 1988
Recorded May 28 & 29 1987 at Sedic Studio, Tokyo.