レッドマンの息子の方が、新譜Still dreamingを出した。Still dreamingは、親父のほうのOld And New Dreams での夢が、Stillということ、だそうだ。
気がつくと、このバンドの僭主たるコールマンを含め、全員、あの世へ。随分と時間が経ったものだ。このコールマン抜きのコールマン・バンド(1970年くらいのメンバー)を含め、当時、キース・ジャレットのカルテットなんかも、コールマンの影を強く感じるバンドだった。モンクやドルフィーと、またひと味違う「奇妙な味」が魅力。
ECMから出たジャレット4の2つは素晴らしく、オーネットからさらに何か突き抜けた感じの音で未だに昂奮させられる。しかし、ECMでのOld And New Dreamsは何か去勢されたような静寂さ、があって、今ひとつピンとこない。
今、仕事場でspotifyを通じて聴いているが、この彼らのデビューアルバムは実に良い。力が漲っている。ヘイデンも耽美的な自己陶酔に陥らず、強いビートを伴いながら奇妙な音を打ち続ける。チェリーも民族音楽的なアプローチには寄らず、力一杯。レッドマンのテナーも驚くほど強い。ブラックウェル含め、コールマンのジャズの強度をヒートアップさせる試みのようだ。ECMのアルバムとは、印象がまるで違う。
それに録音も良い。トニー・メイか、なるほど。
決して回顧バンドのような印象でなく、コールマンの「ジャズ的昂奮」を剥き出しで聴かせてくれる、そんな感じ。いや、良かった。
で、息子レッドマンは何がstill何だろうか、よく分からないなあ。
- アーティスト: Don Cherry,Dewey Redman,Ed Blackwell,Haden
- 出版社/メーカー: Black Saint
- 発売日: 1993/09/07
- メディア: CD
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Old And New Dreams (1976, Black Saint)
A1. Handwoven (Ornette Coleman) 6:53
A2. Dewey's Tune(Dewey Redman) 5:52
A3. Chairman Mao (Charlie Haden) 7:33
B1. Next To The Quiet Stream (Don Cherry) 6:42
B2. Augmented (Don Cherry) 10:05
B3. Old And New Dreams (Dewey Redman) 6:26
Don Cherry(tp), Dewey Redman(ts), Charlie Haden(b), Eddie Blackwell(ds)
Engineer: Tony May
Liner Notes : Stanley Crouch
Producer: Giacomo Pellicciotti
Recorded in October 1976 at GENERATION SOUND STUDIOS, New York City.